俊顕くんがジュンのことで

先週の木曜日、私が仕事場から帰っているときに、携帯電話がなった。誰からだろうと思ってバッグから取り出して見てみると俊顕くんからだった。
私「もしもし、ああ俊顕、どうしたんだよ?」
俊顕君「聡一さん、今何してます?」
私「今仕事を終わって帰ってるところ・・・」
俊顕君「そうなんだ、ちょうどよかった、これから聡一さんのマンションに行っていいですか?」
私「いいけど、今日はジュンはなんか飲み会があるらしくて、いないよ。」
俊顕君「それは俺も知ってます、今日学校でジュンに会ったときに聞いたから・・・」
私「別に来てもいいよ、じゃあついでに晩飯食っていけよ。」
俊顕君「急に行って大丈夫ですか?」
私「気にするなって、どうせこれからいつもの惣菜屋でなんか買ってくつもりだったから・・・」
俊顕君「じゃあお言葉に甘えて、俺、30分後くらいにマンションに行きますね。」
私「じゃあ、待ってるからおいで。」
いつもの惣菜屋で二人分のおかずを買って、さらに閉店近いということでサービスのおかずを少し貰って私はマンションに帰った。すぐにコメを洗って炊飯器にセットした。しばらくすると俊顕くんがやって来た。
俊顕君「こんな時間に押しかけてすみません・・・」
私「それに今日はジュンがいないからひとりで食べるのはさみしいなと思ってたし、俊顕くんが来てくれてよかったよ。」
俊顕君「ちょっとジュンがいないときに聡一さんに相談したいことがあって・・・」
私「どうしたんだよ、私に相談なんて・・・」
俊顕君「ホントは聡一さんに相談したほうがいいのか迷ったんですけど・・・」
私「なんだよ、もったいぶって・・・ どうせジュンに関する話だろう?」
俊顕君「まあ、そうなんですけど・・・」
私「やっぱジュンとエッチしちゃったから、カップルになりたいっていうのはなしだぞ・・・」
俊顕君「まったく聡一さんは何言ってるんですか、そんな話じゃありません。」
私「だからなんの話だよ?」
俊顕君「聡一さんはジュンが大学を出てからどうするのか知ってます?」
私「それは、大学院に合格すれば修士に行くんじゃないの?」
俊顕君「じゃあなんでジュンは院に行くのか知ってます?」
私「それは、たぶん院で勉強したかったからじゃないのかな・・・」
俊顕君「それだけですか?」
私「それだけで充分だろう?」
俊顕君「この前ジュンがちらっと、大学の先生になりたいから院にいくんだって言ってたけど・・・」
私「ああ、その話か・・・」
俊顕君「なんだやっぱり聡一さん知ってるんじゃないですか・・・」
私「知ってるけど、ジュンから直接聞いたわけじゃないぜ・・・」
俊顕君「じゃあどうして知ったんですか?」
私「私の父親が大学の教員をしてたんだよ、それを見てたからジュンも将来なれればと思ったらしいよ、それはジュンが私の父親に言ったらしい。それを私が父親から間接的に聞いたんだよ・・・」
俊顕君「それって、もう決まったことだというわけではないんですね・・・」
私「ジュンとしては将来の選択肢のひとつなんじゃないかな・・・」
俊顕君「そんで聡一さんはどう思ってるんですか?」
私「ジュンが大学の先生になるんだったら、私としては悪くないと思うんだけどね・・・」
俊顕君「確かに俺だってジュンはいい先生になれるとは思いますよ・・・」
私「ところでなんで俊顕がそんなにジュンの将来にこだわってるんだよ・・・」
俊顕君「これを言うのはもう少し後にしようと思ってたんですが・・・」
私「なんだよ、思わせぶりだなあ・・・」
俊顕君「思い切って聡一さんに言っちゃいますけど、聡一さん怒らないでくださいね。」
私「私が怒るような話なのか?」
俊顕君「とりあえず聞いてください・・・ 俺が親父の仕事を継がなければならないことは聡一さんも知ってるでしょう?」
私「ああ、俊顕がとんでもない御曹司だってことだろう、もちろん知ってるさ。」
俊顕君「将来が決まってるなんてホントはそれほどうれしいことじゃないんですけどね・・・」
私「そんなもんなのか、でも普通は会社に入ってしばらくして社長になれるなんて、すごいことだと思うけどね。」
俊顕君「もしもそうなったら、いろいろと会社内の権力争いやら、嫉妬とかで大変なんですから・・・」
私「まあ。俊顕ならじゅうぶんやっていけると思うけどね。」
俊顕君「それって聡一さん、俺のことほめてくれてるんですか?」
私「そういうところへ、決められたこととはいえ、ちゃんと入っていこうとする俊顕はすごいと思ってるよ。」
俊顕君「俺も大変なところに行くんだなってことはよくわかってます。それでですね、そんなときに俺のことをよくわかってサポートしてくれる人がいると俺もすごく心強いんですけどね。」
私「そういう人が一族とかにいるんじゃないのか?」
俊顕君「親類はどっちかというと信頼できませんね・・・ そんで、聡一さん、怒らないで聞いてくださいね。」
私「なんだよ、さっきから、私に怒らないで聞けばっから言って・・・」
俊顕君「こんなことを言うのは俺の勝手な希望だし、すごく言いにくいんですけど・・・」
私「まさか、ジュンにそのサポート役をやって欲しいとか・・・」
俊顕君「さすが聡一さん、鋭い!」
私「ジュンをその魑魅魍魎がうろついてる会社に来て欲しいって訳か・・・」
俊顕君「だから、聡一さん怒らないでくださいって言ったんですよ。」
私「まあ、俊顕がジュンを見込んで誘ってくれたことについては怒ってないよ、でもジュンはそんなところでバトルをするより、大学の先生のほうが絶対にむいてる思うけどね・・・」
俊顕君「でもジュンってやさしいんだけど、やるべき時にはちゃんと強くなれるんじゃないかな。」
私「それはまあジュンの褒め言葉としてはうれしいけどね・・・」
俊顕君「ホントは俺が言ったんじゃなくて、俺の親父が言ったことですけどね・・・」
私「やっぱ俊顕じゃなくて、お父さんの希望だったのか・・・」
俊顕君「最初は、俺が親父に、ジュンみたいなのが俺のサポートしてくれると、すごくいいんだけどって言ったんだよ。そうしたら親父もちょっと真剣に考えてくれたみたいで、しばらくして、ジュンが来てくれるんならいいと思うって言ってくれたんだ・・・」
私「じゃあ、ジュンは俊顕のお父上のおメガネにもかなったってわけか・・・」
俊顕君「俺がジュンを会社に誘ってもいいですか?」
私「私は反対しないよ、でもジュンにすすめることもしないけどね・・・」
俊顕君「それで充分です、俺近いうちにジュンに話しますね。」
私「じゃあ、それまではジュンに黙っておいたほうかいい?」
俊顕君「すみません、そうしてください、それから今日のこの会話のことも知らないことに・・・」
私「ちゃんとジュンに話してくれよ、来てほしいからっていいことばっかり言わないで、悪い情報もちゃんとジュンに話すように・・・」
俊顕君「それはもちろんちゃんとしますよ。」
そんなことを話していると、ちょうどご飯が炊けたので、私たちは夕飯を食べた。
私「こんな夕飯、俊顕はあんま食わないだろう?」
俊顕君「確かに、両親といっしょに食べるときは、もっと手の込んだものを食べてますよ。」
私「こんな町屋の惣菜は、食べたことないだろう?」
俊顕君「そんなことないですよ、たまに両親がいないときは、俺はキッチンで○○さん(俊顕君の乳母のような人)とこれと同じようなおかずで食事してるし、またそれが美味しいんだなあ・・・」
私「それにしても、俊顕はその年になってもお守りがついてるんだ・・・」
俊顕君「あっ、聡一さん、ちょっと俺のことバカにしたでしょう? でもさ、俺が○○さんのこともう必要ないって言ったら、〇〇さん失業しちゃうじゃん、まあ今は家のお手伝いさんの方の仕事が主になってるけどね。」
私「その年で人の失業のことまで考えなきゃならないなんて、ご苦労なことだな・・・」
俊顕君「だから俺は家では生活面では手のかかる息子でいる必要があるんです・・・」
私「まあそういうちょっとかわいいところがなかったら、俊顕みたいな息子がいたら、親も息苦しいよな・・・」
俊顕君「聡一さんのイジワル、俺マジで傷つきました・・・」
私「そういうふうにちょっと傷付いたくらいが、俊顕は多少は可愛げがある。」
俊顕君「もう、聡一さんにはホントかなわないんだから・・・」
私「いくつ年が違うと思ってるんだよ・・・」
まったくかわいいんだかかわいくないんだかわからない年頃ではある。その点ジュンはいつでもかわいいからそれはそれですごいことなのかもしれない。食事が終わって、後片付けが終わると、俊顕君が帰ることになった。
俊顕君「聡一さん、夕飯ごちそうさまでした。」
私「たいしたものは出してないけどね、こんなのでよかったら、また食べにおいで。」
俊顕君「こんどはジュンがいるときに来ますね。」
私「そのほうがジュンも喜ぶよ。そうだ、俊顕、車で送ってやろうか?」
俊顕君「ありがとうございます、でも今夜はいいです、俺ぶらぶら歩きたいし。」
私「そうか、じゃあ気をつけて帰るんだよ。」
俊顕君「じゃあ聡一さん、また・・・」
私「じゃあ、またな・・・」
玄関で俊顕くんを見送ったあと、私はベッドに横になって、俊顕くんが持ってきた話がジュンにとっていいかどうかをよく考えてみた。けっきょく結論が出ないまま、ジュンが戻ってきたので私は考えを中断した。
ジュン「とうさん、ただいま、遅くなっちゃった・・・」
私「おかえり、ジュン、このくらいの時間だったら遅くないから、友達との付き合いは大事にしろ。」
ジュン「うん、とうさん、ありがとう。」
私「ジュン、少し酔ってるのか?」
ジュン「ちょっとだけね、でも眠い・・・」
私「ほら、そんな目ばっかりこすってないで、寝る前に軽くシャワー浴びておいで。」
ジュン「うん、そうする・・・」
こんな子供みたいなジュンに俊顕くんをサポートできるのだろうかと私は思った。まあ家の中と外ではジュンも違った素顔を見せているのかもしれないが・・・
シャワーを浴びて私のとなりに横になるとすぐに眠ってしまったジュンのいい匂いを感じながら、私はジュンが将来どうなるのかをちょっと考えていたが、そのうちに自然と眠ってしまっていた。

theme : 男同士の恋愛
genre : 恋愛

tag : ゲイの父親

ジュンが直さんを連れて帰ってきた

東京駅でケンと別れて、からだの中に小さな空洞ができたような違和感を感じながら、私は電車の窓から外をぼんやりと眺めていた。三連休の最初の日で電車の中は遊びにいく人たちが楽しそうに話していた。
最寄りの駅で降りて、私はまっすぐにマンションに戻った。部屋に入っても私は何もする気にならず、しばらくリビングのソファに座って空を眺めていた。
少し空が暗くなり始めた頃、音楽が聞きたくなってブラームスのピアノ協奏曲一番のCDを聴き始めた。CDを聞き始めて、しばらくするとジュンが帰ってきた。ジュンは前の晩から直さんのところに泊めてもらっていたので、直さんといっしょに戻ってきていた。
ジュン「とうさん、もう帰ってたんだ。」
直さん「ジュンちゃんといっしょに来ちゃいました。」
私「昨日はジュンが泊めてもらって、すみませんでした。」
直さん「ぼくもこの三連休はあんまり予定がなかったんで、ジュンちゃんが来てくれて楽しかったし。」
ジュン「あれ、とうさん、ブラームス聴いてるの、めずらしいね。」
私「なんか少し暗くなり始めたら、なんかブラームスが聞きたくなって・・・」
ジュン「このCD、オレ聞いたことないよ。」
私「とうさんもあんまり聴かないからね・・・」
ジュン「でもすげえ演奏じゃん・・・」
直さん「ピアノがものすごく新鮮・・・」
私「ルービンシュタインだからね。」
直さん「なんかルービンシュタインってもっと余裕たっぷりの演奏する人かと思ってた。この演奏はなんか緊迫してる感じ・・・」
私「このCDは1954年の録音だから、ルービンシュタインも比較的若い頃だからね。」
ジュン「すげえ、56年前の演奏なんて・・・ でもこのオーケストラ、ものすごく音程が確かだね・・・」
直さん「だから音に厚みがあっても透明な感じがするんだ。それにしても56年前の録音がこんなにきれいに残ってるなんてすごい。」
私「ピアノの音がすごくきれいだよね。」
直さん「このCD、欲しいなあ。」
私「あとでコピーしてあげるよ。」
ジュン「そういえば、とうさん、何か今日はちょっとテンション低めだけど・・・」
私「ああ、ちょっと気になることがあってさ・・・」
直さん「どうしたんですか、ソウさん・・・」
私「たいしたことじゃないんだけどね、ケンが実家に帰ることになったんだ・・・」
ジュン「ケンさんの実家って、けっこう遠いんじゃなかったっけ?」
私「距離はあるけど、新幹線だと2時間くらいみたいだよ。」
直さん「ケンちゃん、どうしたんですか?」
私「ケンのお父さんが病気して、とりあえずは退院したらしいんだけど、まだ仕事まではできないらしくて、それをお父さんのかわりにやるって言ってて・・・」
ジュン「じゃあこっちの仕事はやめちゃうの?」
私「お父さんがどのくらいで仕事に復帰できるかわからないから、とりあえず仕事はやめて実家に帰るみたいだね・・・」
直さん「ソウさんもぼくたちみたいに遠距離恋愛になっちゃうんだ・・・」
私「まあケンは翼くんほどは遠くに行くわけじゃないけどね・・・」
直さん「まあ遠く離れても気持ちがつながってたら、なんとかなるけどね。」
私「直さんと翼くんは何があっても壊れないくらい強く結ばれてるけど、ケンと私はまだそこまではいってないし・・・」
ジュン「とうさん、ケンさんにビミョーに振られたんじゃない?」
私「なんかとうさんもちょっとだけそうかもしれないなとは思った・・・」
直さん「こんなこと言っていいかどうかわかんないけど、なんかソウさんとケンちゃんってお互いに変に遠慮してなかった? まあとくにケンちゃんの方が・・・」
ジュン「確かにオレにまでなんか気を使いすぎてるなって思うことはあった・・・」
直さん「ケンちゃんってさあ、ホントはソウさんにすごく甘えたいんだけど、一度甘えちゃうと歯止めがきかなくなって、そうなるとこんどはソウさんに引かれちゃうんじゃないかって心配してたんじゃないかな・・・」
私「別に私にならいくら甘えてもよかったのに・・・」
直さん「さらに、ソウさんにはジュンちゃんがいるから、ケンちゃんとしてはソウさんを独占できなかったと思うよ・・・」
ジュン「ぶっちゃけオレほうも、ホントはケンさんのことをどう扱えばいいのか、あんまりわかんなかったし・・・」
直さん「ジュンちゃんもすごくケンちゃんには気を使ってたじゃん、いつもぼくのところにわざわざ泊まりに来て、ソウさんとケンちゃんが会いやすくしてただろう?」
私「直さんにまで迷惑かけて・・・」
直さん「ぼくはすこしも迷惑じゃなかったから、そんなことは心配しないでね。」
ジュン「オレはぶっちゃけケンさんと会わなくてよくなると、気が楽になるかな・・・ だってケンさんといると何をしゃべっていいのかわかんなかったもん・・・」
私「ジュンはそんなふうに思ってたんだ・・・」
ジュン「まあ、そんなことはオレのほうがガマンしなきゃならないんだけどね・・・」
私「とうさんはジュンにはそんなガマンはさせたくないからね・・・」
ジュン「直さんが翼兄ちゃんの相手じゃなかったら、とうさんに直さんのことをナンパし倒して無理矢理でもものにしなよって絶対言うんだけど・・・」
直「ははは、ジュンちゃんにそう言ってもらえるとすごくうれしいけどね、でももしもぼくがソウさんと恋人同士になったら、ケンちゃんと違ってソウさんのことをジュンちゃんから奪って独占したがるかもしれないぞ、ジュンちゃんそれでもいいの?」
ジュン「直さんだったら、それでもオレはいいけど・・・」
私「そんな仮定の話をしてもしかたないだろう・・・」
直さん「なんかみんなが同じように幸せにはなかなかなれないんだなあ・・・」
私「とうさんはジュンが幸せになってくれることが一番嬉しい。」
直さん「ぼくもジュンちゃんには幸せになって欲しいな・・・」
ジュン「今でも充分オレは幸せだと思うけどね、とうさんがいて、直さんがいて・・・」
直さん「ソウさんも、少しは元気になれた?」
私「二人ともありがとう、もう大丈夫だよ。」
二人ともそれぞれの言い方で私を慰めてくれていたようだった。
その後、私が夕食の準備をする間に、直さんとジュンはこんどまた俊顕くんの家でやるコンサートの練習を始めていた。こんどはモーツアルトの晩年に近い頃に作曲された連弾のソナタで、これはけっこう難しい曲なので、さすがの直さんとジュンも苦戦している感じだった。それでも少しずつ仕上がっていく演奏を聴いていると、私も少し元気が出てきたのだった。

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久しぶりにケンと

先週の金曜日、久しぶりにケンが私のマンションに泊まりに来た。まだ若いケンが疲れたような表情をしているのが少しかわいそうな感じだった。ジュンは気をきかしたのか、直さんのところに泊まりに行ったので、ケンとゆっくり過ごすことができた。
ケン「あんまり会えなくてゴメンね。」
私「それはいいけど、家のほうはどうなの?」
ケン「オヤジはなんとか退院したんだけど、体力が衰えちゃって、店やるのは無理なんだ・・・」
私「そうなんだ、大変だね・・・」
ケン「あんな親だけど、親は親だからね。それでそのことでちょっと聡一に相談したいことがあるんだけど・・・」
私「相談って?」
ケン「オレさ、実はこっちの仕事はとりあえずやめて、しばらく実家の店を手伝おうかと思ってるんだけど・・・ 聡一はどう思う?」
私「ケンが一生懸命考えて出した結論だろう? それなら私は何も言わないよ。」
ケン「オレが実家に住むことになったら、遠距離恋愛で、あんまり聡一と会えなくなっちゃうんだよ。」
私「それはすごくさみしいけど、でも今実家の方ではケンの手が必要なんだろう?」
ケン「ホントはあんな親なんか放ったらかしにしとけばいいんだろうけど、オヤジが病気のせいですげえ気が弱くなっちゃっててさ、おふくろもなんか急に年取っちゃったみたいだし・・・」
私「これまでにいろいろとあったんだろうけど、ケンの親なんだから、困ったときには助けてあげなくちゃね・・・」
ケン「オレ、しばらく実家の方で暮らすことになるけど、いいんだよね・・・」
私「ケンとは会おうと思えばいつでも会えるんだから、今は親孝行しといたほうがいいと思うよ・・・」
ケン「すげえ、ひどい親なんだよ、そんな親に孝行するなんて、オレも甘ちゃんだよな・・・」
私「そんなやさしいところが、ケンのいいところだろう?」
ケン「そう言ってくれるのは聡一だけどよ・・・ ありがと・・・」
久しぶりにケンと風呂に一緒に入って、とりあえずスキンシップをした。疲れが溜まっているのか、ケンはベッドに横になるとすぐに眠ってしまっていた。私は眠ってしまったケンの頭をしばらく静かに撫でていたが、そのうち私も眠ってしまっていた。
翌朝目が覚めると、ケンはまだ気持よさそうに眠っていた。私は静かに起き上がって、キッチンに行き、コーヒーを淹れた。テーブルに座ってコーヒーを飲んでいると、ケンが目をこすりながらやってきた。
ケン「聡一、起きてたんだ・・・」
私「疲れてるんだったらもっと寝てていいよ。」
ケン「オレもコーヒー飲みたい。」
私「ケンの分もあるから、持ってきてあげるよ。」
ケン「ありがとう・・・」
しばらく私たちは黙ってコーヒーを飲んでいた。
ケン「聡一、なんでオレの顔、見てるんだよ・・・」
私「眠そうなケンの顔もかわいいなと思ってさ・・・」
ケン「オレは子供じゃねえぞ・・・」
私「なんか見てるだけで幸せな気分になってくる・・・」
ケン「幸せな気分だけか?」
私「コーヒー飲んだら、ベッドに戻ろうか?」
ケン「また寝るのか?」
私「ケンもわかってるくせに・・・」
ケン「オレもたぶん同じこと考えてた・・・」
そしてベッドに向きあって寝て、私たちはすぐにキスをし始めた。けっこう久しぶりだったので、二人ともむさぼるようにキスをしあった。その後、お互いの着ているものを脱がせあった。と言っても私はパジャマだけしか着ていないし、ケンはTシャツとトランクスしか穿いていなかったので、すぐに脱がせることができた。そしてお互いの身体のあちこちにキスの雨を降らせあって、気分を高めていった。そして二人で向きあって身体を寄せ合って、下腹部で二本のいきり立ったものを挟んで、腰を振って刺激し合った。二人とも久しぶりの行為だったので、あまりガマンもできないまま、しばらくすると私の方が先に最後を迎えてしまっていた。私のモノが大きく動いた刺激で、ケンのモノもほどなく最後の時を迎えた。二人ともなんども発射を繰り返して、お互いの腹部を白い粘液でベトベトにした・・・
ティッシュで後始末をしていると、ケンはよほど疲れがたまっているのか、また眠り始めていた。私もテッシュをくずかごに捨てて、ケンのとなりに横になり、二度寝をした。
昼前に起きて、近所のレストランにランチを食べに行った。そして実家に帰るケンを送って私も東京駅までいっしょに行った。
私「こんどはいつ会える?」
ケン「たぶん、今月末にこっちの部屋を引き払うから、その時少し会えるかも・・・」
私「引越し、手伝いに行くよ。」
ケン「ゴメンね、聡一・・・」
私「気をつけて行くんだよ・・・」
ケン「オレとあんまり会えなくなったら、聡一、いい人が見つかったらオレのこと忘れてもいいからね・・・」
私「いきなりなに言うんだよ・・・」
ケン「ホントは聡一はオレひとりのものにしておきたいけど、オレの都合で会えなくなるわけだから、聡一を縛るわけにいかないし・・・」
私「ケン、ありがとね・・・ いつでも会えるよ・・・」
ケン「そうだね・・・」
私「じゃあ、またね・・・」
ケン「聡一、オレ、行くね・・・」
発車のベルが鳴ったので、ケンは新幹線に乗り込んだ。そしてケンと私の間でドアが閉まった。コマーシャルでは見たことがあるが、まさか私がこんな状況になるとは思わなかった。
私はなんか心のなかにモヤモヤしたものをかかえたまま、まっすぐマンションに帰った・・・

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俊顕君とジュンの間にあったこと

ジュンが日本に戻った29日の翌日30日に、俊顕くんが日本に戻ってきた頃を見はからって電話を掛けてみた。
私「もしもし、俊顕、もう日本に戻ってるのか?」
俊顕君「ああ、聡一さん、俺今車の中、家に戻る途中。」
私「今俊顕が運転してるわけじゃないよな?」
俊顕君「してないよ、○○さんが成田まで迎えに来てくれてたから・・・」
私「俊顕、なんか元気ねえなあ・・・」
俊顕君「それよりジュンはどうしてる?」
私「そのことで、近いうちに俊顕とちょっと話したいことがあるんだ・・・」
俊顕君「俺も聡一さんにちょっと相談したいことあるから、土曜に時間あるからそっちまで行くけど・・・」
私「そうか、夕方6時くらいならだいじょうぶだよ。」
俊顕君「俺も昼間は用があるから、6時ならちょうどいいな・・・」
私「とりあえず駅の近くの喫茶店で二人だけで話そう。その後はウチに来て、夕飯食べていきなよ。」
俊顕君「行っていいんですか? ジュンが嫌がらないかな?」
私「なんでだよ、俊顕が来て、ジュンが嫌がるわけないだろう。」
俊顕君「わかりました、土曜6時に○○駅の改札のところでいいですか?」
私「いいよ、それより俊顕、なんか声が疲れてるみたいだぞ、今日はゆっくり休めよ。」
俊顕君「聡一さん、いつもやさしいね・・・ じゃあ土曜に〇〇駅で・・・」
私「じゃあね、待ってるからね。」
それにしてもジュンもあまり元気がないが、俊顕くんはさらに疲れたような声をしていた。二人ともなぜか思いが行き違ってしまい、精神的に消耗しているような感じだ。とりあえずジュンの次は俊顕くんから話しを聞いて、お節介かもしれないが、出来れば二人の仲をもとに戻してやりたいと私は思っていた。

土曜日の夕方6時少し前に〇〇駅に着いた。俊顕くんはすでにそこに来ていた。
私「俊顕、早かったんだね、待ったか?」
俊顕君「俺も今来たとこ。」
混雑している駅を離れて少し歩くと昔ながらの喫茶店がある。そこはいつもそれほど混んでいないので、二人だけで話したいときにはちょうどいい。私たちは奥まった席に座った。
俊顕君「ジュンはどうしてます?」
私「だいたいのことはジュンから聞いたよ・・・」
俊顕君「やっぱジュンは聡一さんに全部話したんだ・・・ それで俺のこと怒ってます?」
私「べつに怒ってやしないさ・・・ それより俊顕のほうはだいじょうぶなのか? 昨日疲れたような声してたし・・・」
俊顕君「聡一さん、絶対怒ってると思ってた・・・ だって聡一さんの大切なジュンと、俺・・・」
私「やられたのは俊顕のほうだろうが・・・」
俊顕君「そうなんだけど、ホントは俺が誘ったようなもんだから・・・」
私「俊顕の誘いにのって、ジュンが飛び込んで来ちゃったわけか・・・」
俊顕君「ジュンがあんなに情熱的に迫ってきてくれるとは予想外だった・・・」
私「まったくジュンは俊顕の手管に踊らされてたわけだ・・・」
俊顕君「ジュンにあんなことさせちゃったから、俺たちもとのような友達に戻れないかもしれないと思って・・・」
私「ジュンは俊顕を傷つけたんじゃないかって、心配して悩んでるんだぞ。」
俊顕君「そうなんだ、ジュンってホントやさしいんだね・・・」
私「まあ、俊顕に黙って一日早く帰ったことは、ジュンも悪いけどね・・・」
俊顕君「俺、目が覚めた時にジュンがいないのに気づいて、ほんと大変なことジュンにさせちゃったかなって、前の夜のことを反省したんですよ・・・」
私「ジュンはなんか初めて男と寝たわけだから、朝起きたときにちょっと気が動転して、発作的に部屋を離れたらしい・・・」
俊顕君「そうか、あれがジュンにとっては男との初体験だったんだ・・・」
私「俊顕とそうなって、顔をあわせるのがものすごく恥ずかしかったそうだ・・・」
俊顕君「ジュンって、そういう純粋なところがホントかわいいんだから・・・」
私「それがわかってたら、あんまりおもしろがってジュンのことをもてあそぶなよ・・・」
俊顕君「もてあそぶって、やられたのは俺なんだけど・・・」
私「どうせ口では嫌よ嫌よと言いながら、実際はケツ振ってたんだろう。」
俊顕君「うわっ、聡一さんの言いかた、下品・・・」
私「俊顕がぜんぜん傷ついていないのは、よ~くわかった。」
俊顕君「俺だってちょっとは傷ついてますよ・・・ でもそんなことジュンには言わないでくださいよ、ジュンに嫌われるといけないから・・・」
私「そんで、ジュンにはどう言うつもりだよ。」
俊顕君「そうだなあ、ジュンがとっても上手で、俺はすげえ感じさせてくれて感謝してるよ、って言うのはどう?」
私「そんなことで俊顕のほうはいいのか? まあジュンが元気になるんだったら、それでもいいけどね・・・」
俊顕君「俺、マジ感じちゃったから、もっとジュンにやって欲しいくらいなんだけどね・・・」
私「バ~カ、自分の欲望にジュンを巻き込むな。」
俊顕君「ジュンがダメなら、聡一さんでもいい・・・」
私「あんまりバカなこと言うと、ホント殴るぞ・・・」
俊顕君「俺はマジで言ったのに・・・ あっ、聡一さん痛い。」
私「やれやれ、しょうのないヤツだ、今日はこのくらいにしておいてやるけど、まったく・・・」

話がまとまったので、私たちはマンションに帰った。ジュンもちょうど帰っていた。
ジュン「あれ、俊顕、どうしたの?」
俊顕君「ジュン、昨日、大学で俺のことシカトしてただろう。」
ジュン「ゴメン、なんか声かけられなくて・・・」
私「それより、腹減ってると話ができないから、とりあえず、まずメシを食いながら話そう。」
商店街で買ってきた惣菜を皿に盛って、ご飯と味噌汁はジュンが作ってくれていたので、すぐに私たちは夕飯を食べ始めた。
ジュン「ねえ、俊顕、オレのこと怒ってない?」
俊顕君「なんで俺がジュンことを怒るんだよ?」
ジュン「だって、オレ、ロンドンのホテルで、勢いで俊顕のこと・・・」
俊顕君「怒るわけないじゃん、むしろジュンにしてもらってすげえ気持ち良かったぜ・・・」
ジュン「だって俊顕、あの後気を失ったじゃないか・・・」
俊顕君「あれはジュンにされてすげえ気持ちよくてそれで失神しちゃったというか・・・」
ジュン「俊顕、なんか痛いとか、そういうのなかったの?」
俊顕君「そりゃ、多少はあそこの痛みは残ってたけど、それより快感の方がずっとずっと大きかったし・・・」
ジュン「ホントにオレのこと嫌いになってない?」
俊顕君「気持よくしてくれたのに、嫌いになるわけないだろう。」
ジュン「これからも友達でいてくれる?」
俊顕君「それは俺のセリフ・・・」
ジュン「あんなことしちゃったのにだいじょうぶ?」
俊顕君「お互いちょっと気持いいことをしただけじゃん。」
ジュン「オレもすげえ気持良かったんだ・・・」
俊顕君「二人とも良かったんだから、問題ないじゃん。」
ジュン「じゃあ、これからも今までどおり、友達でいいんだね。」
俊顕君「これからはやっぱ普通に友達でいようよ。」
ジュン「俊顕、ありがとう・・・」
俊顕君「でもジュンが俺をホテルに置き去りにしていったことは、ちょっと怒ってるからな。」
ジュン「ゴメンね、俊顕・・・ あの時はオレもちょっとおかしかったから・・・」
俊顕君「いっこジュンに貸し作ったからな・・・」
ジュン「うん、いつか返してあげるからね・・・」
私「二人とも問題はとりあえずは解決したみたいだな。」
ジュン「うん、やっぱ俊顕って包容力があるよね。」
私「俊顕、今すげえうれしそうな顔したな。」
俊顕君「してませんよ・・・」
そう言って俊顕君は少し顔を赤らめた。そんな顔をするといつもは怒ったような顔をしているだけに、ギャップがけっこうかわいい。なんとなくジュンと俊顕君の問題は完全ではないにしてもそれなりに解決したみたいだった。もともとジュンが思っていたほど俊顕くんは大変なことをしたとは思ってなかったからかもしれない。俊顕君は夕食後少しすると帰ってしまった。やっぱり帰国したばかりで疲れているのだろう。
私「ジュン、良かったな、俊顕と元に戻れて・・・」
ジュン「とうさんがなんか俊顕に言ってくれたの?」
私「たいしたことは言ってないぞ。俊顕はああ見えてもけっこういいヤツだからね・・・」
ジュン「オレが女だったら、ぜったい俊顕に惚れてるだろうな・・・」
私「俊顕のほうは女には惚れないけどね・・・」
ジュン「あっそうか・・・」
その夜は、俊顕くんが帰った後、ジュンは悩みから開放されて安心したのか、甘えモード全開で、私にベタッとくっついたまま、眠ってしまったのだった。ジュンが寝てから私は今回のことを考えていた。俊顕君はあんなふうにジュンのことを考えて言ってくれたのだが、多少無理して格好をつけていたのではないかと私は少し疑っていた。もう少し時間がたってから、俊顕君にはホンネを訪ねてみようと私は思った・・・

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