指輪を注文

ジュンに指輪の相談をした次の週末、こんどはヒロに私は指輪のことを話してみた。

私「ヒロ、結婚指輪作ろうかって言ったら、驚く?」
ヒロ「えっ、それってマジ、すげえ驚いた。」
私「やっぱ驚くよね、男同士だもんね、指輪なんてやっぱヘンだよな・・・」
ヒロ「ヘンじゃない、ヘンじゃない、ぜんぜんヘンじゃない。」
私「そうかあ、よかった・・・」
ヒロ「俺、聡一とお揃いの指輪、欲しい、すげえ欲しい。」
私「プロポーズしたから、なんか形になるものがあるといいなって思ってさ、指輪なんかどうかなって思ったんだよ。」
ヒロ「俺、すげえうれしいよ、聡一、よく気がついてくれたね。」
私「いや、じつは今、ちょっと面白いマンガ読んでてさ。」
ヒロ「マンガ? 聡一には珍しいじゃん。」
私「すすめてくれた人がいてさ、読んでみるとすげえ面白いんだよ。」
ヒロ「どんな話なの?」
私「40歳くらいのイケメンの弁護士と、その相手のちょっと年下の美容師の、ゲイカップルの話。」
ヒロ「ふうん、面白いの?」
私「なんかすげえ感情移入しちゃうんだよね、それと料理のことがいっぱい出てきて、参考になるんだよ、今日の晩ごはんもそのマンガで作ってたメニューが入ってるよ。」
ヒロ「じゃあ、ちょっとその本、貸してよ、読んでみる。」
私「そんで、指輪のことなんだけどね、それもその本の影響なんだけどね。」
ヒロ「そうなんだ、でもお揃いの指輪ができるんだったら、きっかけなんてどうでもいいし・・・」
私「そんでさあ・・・」
ヒロ「なにさ、言いにくいこと? あっ、ひょっとしてジュンちゃんから指輪のダメ出しが出たとか。」
私「まあ、ジュンもダメだとは言わなかったんだけどね・・・」
ヒロ「まさか、まさか、ジュンちゃんもお揃いの指輪が欲しいとか・・・」
私「まあ、それに近いんだよね。」
ヒロ「なんかそんな気がしてたんだ、で、ジュンちゃん、どうしたがってるの?」
私「ジュンも、婚約者とお揃いの指輪を作るつもりだったみたいなんだよ・・・」
ヒロ「ジュンちゃんもけっこうマジで結婚を考えてるんだ。でもむこうはむこう、俺たちは俺たち、関係ないじゃん。」
私「だから、ジュンは私たちも含めて、4人お揃いの指輪にしたいって言ってるんだよ・・・」
ヒロ「それは、婚約者のほうが嫌だって言うんじゃない?」
私「それが、ジュンはもう婚約者のひとみさんには話をつけてて、ひとみさんもそれでいいって言ってるんだよね。」
ヒロ「ううう、結婚指輪って聞いて、すげえ喜んだけど、やっぱ現実はそうそううまくいかないんだなあ・・・」
私「ヒロが嫌なら、ジュンたちは別に作るように言うけど・・・」
ヒロ「ホントはそうしてもらいたいけど、そんなこと言ったら、一生ジュンちゃんに冷たくされそうだしなあ。それにしても婚約者、よく納得したね。」
私「なんか細かいことにはこだわらない人だからね。」
ヒロ「これは俺には細かいことじゃないのに・・・」
私「ちょっとデザインを変えるとかじゃダメかな?」
ヒロ「ダメダメ、ぜったいダメって、ホントは駄々こねたいけど、ジュンちゃんの聞き分けのいい婚約者に負けたくないから、俺もここは大人になる。」
私「ヒロ、ムリしてない?」
ヒロ「ちょっとビミョー・・・」
私「同じ指輪でも、ヒロとは結婚指輪としてお揃いを作るんだし、ジュンとは親子の絆指輪なんだから、意味合いはぜんぜん違ってるからね。」
ヒロ「そうだね、でも聡一が結婚指輪なんて言い出してくれて、俺、すげえ嬉しいんだ・・・」
私「ヒロが喜んでくれると、こっちもなんか嬉しくなってくる。」
ヒロ「早く欲しいなあ、指輪・・・」
私「じゃあ、こんど、いっしょに指輪を見に行こうか?」
ヒロ「行く行く。」

とりあえずヒロは指輪の件をなんとか納得してくれたようだった。これでいいのだろうかという心配もちょっとあったのだが、ジュンを含めてみんなが納得できる最大公約数的解決であった。

そしてまた次の週末、私はヒロといっしょにマンションを出て、電車に乗った。ジュンは先にでかけて、婚約者のひとみさんを出迎えてから、私たちがランチをするレストランで合流することになっていた。
私とヒロが先にレストランに着いたので、とりあえず食前酒を飲んでいると、ジュンと○○さんが仲良く現れた。

ジュン「とうさんたち、早く着いたんだね。」
私「それほど早く着いたわけじゃない。」
ひとみさん「おとうさま、お久しぶりです。」
私「今日はわざわざ来てもらってありがとう。」
ひとみさん「お礼を言わなければならないのは、私のほうですわ。私まで、おとうさまやヒロさんとお揃いの指輪をいただけるなんて、うれしくて・・・」
ジュン「まあとうさんとヒロちゃんはオレの言ってみれば両親みたいなもんだからさ・・・」
私「こらこら、ジュン、そこまではっきり言うのはちょっと・・・」
ひとみさん「私はジュンちゃんのご両親が男性二人でもぜんぜん支障はありませんから。」
私「でもひとみさんのほうのご両親にはできれば知られないほうがいいと思いますけどね・・・」
ひとみさん「もちろんそのあたりは適当にごまかしておきます。まあ両親もうすうす気づいたとしても、たぶん気づかないふりをすると思いますけどね。」
ヒロ「それにしてもひとみさんって、こだわらない性格なんですね、あっ、これはほめてるんです、誤解しないでくださいね。」
ひとみさん「私もいろんな勉強でヨーロッパとかアメリカによく行くようになって、あちらではアート系の男はゲイの場合が多いでしょう、だから自然に慣れてしまって。」
ジュン「ひとみったらさ、オレのことを最初はゲイじゃないかって思ってたんだって。」
ひとみさん「だって、ゲイの俊顕といつもイチャイチャしてるし、ジュンはイケメンだから、そう思っちゃったの。」
ジュン「ホント女の子って、男子がちょっと仲良くしてると、すぐにおもしろがってそんなふうに言うだもんなあ・・・」
ひとみさん「それはジュンちゃんと俊顕だったら、みんな妄想かきたてられるのよ。」
ジュン「今日は、指輪の相談で集まったんだからね。」
ひとみさん「おとうさまはどんな指輪をヒロさんにお贈りになるつもりなんですか?」
私「まあ、男同士だから、シンプルなデザインで、指にさりげなくつけておけるようなのを考えているんですけどね。」
ジュン「そういう感じなんだけど、ひとみ、シンプルな指輪でもいい?」
ひとみさん「ジュンちゃんからのプレゼントなら、どんなのでもうれしい。」
ヒロ「でも、4人全員が同じデザインっていうのもね、俺と聡一のと、ひとみさんとジュンちゃんのは少しデザインを変えたほうがいいんじゃないかな・・・」
ジュン「オレはとうさんと同じデザインのがいい・・・」
私「ひとみさんはどうですか?」
ひとみさん「私はこだわりませんわ、4人同じでも・・・」
ジュン「ヒロちゃんはオレたちといっしょだと嫌なのか?」
私「そうしたら、似たようなデザインのものを探せばいいだろう?」
ヒロ「しょうがないなあ、似たようなデザインにするくらいなら、同じでもいいよ・・・」
ジュン「ヒロちゃん、そんなスネるようなことじゃないだろう?」
ヒロ「スネてなんかねえよ・・・」
ジュン「じゃあ、決まりね。」

ランチを終えてから、私たちは4人で、ジュンと下見をしたデパートに出かけた。
そこでいろいろと指輪を見せてもらったのだが、けっきょくジュンと私が下見で見つけた指輪に決まった。
4個指輪を注文してから、私たちはデパートを出て、近くのカフェに入った。

私「あんまり高いものじゃないけど、ひとみさん、あれで大丈夫?」
ひとみさん「値段なんて関係ないですわ、指輪をいただくのもうれしいですけど、ジュンちゃんやおとうさま、ヒロさんの気持ちをいただけて、それがとてもうれしいです。」
ジュン「とうさんと、ひとみとお揃いの指輪、オレもすげえうれしい。」
ヒロ「俺もお揃いなんだけど。」
ジュン「ヒロちゃんともお揃いでオレもうれしいよ。」
ヒロ「なら、よしっ。」
ジュン「ヒロちゃん、子供みたい。」
ヒロ「なんか言ったか?」
ジュン「ううん、何も・・・」
ひとみさん「ジュンちゃんはいいわねえ、こんな面白い人がそばにいて・・・」
ジュン「ひとみも、いつか家族になるんだからね。」

その後、ジュンはひとみさんを送って行くといって、私たちと別れた。
私とヒロは、電車で最寄り駅まで帰って、商店街で買い物をしてマンションに帰った。

ヒロ「ジュンちゃん、ひとみさんを送ったら帰ってくるの?」
私「ああ、晩ごはんまでには戻るって言ってた。」
ヒロ「ゆっくりしてくればいいのに・・・」
私「晩ごはんまでにはちょっと時間あるぞ。」
ヒロ「えっ、ひょっとして聡一、それって誘ってくれてるの?」
私「したくないのか?」
ヒロ「したい!」

私たちは服のまま、ベッドに倒れ込んだ。そしてお互いの服を脱がせてから、重なりあって長いキスをした。そしていきり立ったものを重ねて、こすりあわせた。べつにヒロの後ろに入れなくても、それだけでじゅうぶん私は気持ちが良かった。ふたりともだんだんと気持ちが高まっていって、行為に熱中していた。そしてどのくらいの時間がたったのか、わからないくらいになったころ、ふたりとも絶頂をむかえて、激しく射精をした。ふたりとも信じられないくらい何度も何度も白いマグマを吹き出していた・・・

ヒロ「なんか、俺、しあわせ。」
私「ヒロがいてくれて、ほんとうに心が休まる・・・」
ヒロ「指輪、いろいろ駄々こねてゴメン。ホントはすげえうれしいんだ・・・」
私「なら、良かった。」
ヒロ「学校にはしていくからね。そうしたら、女子学生にうるさく付きまとわれることもなくなるだろうしね。」
私「やっぱ私は仕事にはしていけないな。」
ヒロ「いいよ、俺だって、ピアノのレッスンの時とか、演奏する時は外すつもりだし・・・」
私「ジュンたちも、婚約指輪だから、やっぱ将来本気で結婚するつもりなんだろうな。」
ヒロ「なんか、ひとみさんて、すげえクールなんだね・・・」
私「頭がいいから、何が重要で、何がそうじゃないか、すぐにわかっちゃうんだろうね。」
ヒロ「なんか結婚しても、自分のしたいようにするんだろうね。」
私「それはジュンもわかってるみたいだよ。」
ヒロ「あのふたり、ホントに好き同士なのかな?」
私「まあベタベタした関係じゃないのは確かだよね、でもお互いに尊重しあってるみたいだから、いいんじゃないの?」
ヒロ「じゃあ、俺たちのほうが、ラブラブじゃん。」
私「ヒロ、好きだよ。」
ヒロ「俺も・・・」
私「ほら、後始末して、晩ごはん作らなきゃ、ジュンが帰ってくる。」
ヒロ「それがなかったら、もっと最高なんだけどな・・・」
私「ブツブツ言わない。」

私たちは軽くシャワーを浴びて、さっぱりしてから、晩ごはんを作り始めた。
晩ごはんが出来上がったころ、ジュンが帰ってきた。

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指輪の相談

この前の土曜日、ヒロは急な仕事が入ったので、私はジュンとランチを食べにいくことにして、いっしょに電車に乗って出かけた。
その日は、直さんから教えてもらった、比較的値段の安いというビストロを予約した。
電車を乗り換えて、そんなに遠くないのにあまり来たことのない駅から商店街を、ちょっと目立たない外観らしいその店を探して歩いた。
中に入ると、意外に小さなビストロであったが、予約をしていたので、落ち着いた席に案内された。

ジュン「さすが直さん、いいお店知ってるね。」
私「お店のスタッフも感じいいし・・・」

とりあえず定番メニューを注文して、けっこう暑かったのでとりあえず冷たいビールをジュンと飲むことにした。

ジュン「うう、冷たいビールがうまい。」
私「ジュンもそういとこと言うようになったか・・・」
ジュン「だって、オレだってもう成人してるもんね。」
私「それはわかってても、なんかとうさんの中では、ジュンは子供というイメージが強すぎたかな・・・」
ジュン「まあ、それはいつまでたっても、オレはとうさんの子供なんだけどね・・・」
私「とはいえ、今日はちょっとジュンに相談があってさ・・・」
ジュン「相談ってなに?」
私「ジュン、実はな、ゴールデンウィークに京都で、とうさん、ヒロになんというか、プロポーズみたいなことをしたんだよね・・・」
ジュン「えつ、とうさん、それまでヒロちゃんにプロポーズしてなかったんだ・・・」
私「そうなんだけどね、まあジュンには事後報告になってしまったんだけどね、ジュン、怒ってない?」
ジュン「オレは、まあ正直ちょっと嫉妬しちゃう気持ちもあるけど、とうさんが幸せになるんだったら、そのほうがうれしいし、もしもオレのことを気にして今までプロポーズできなかったんだったら、ゴメン。でもどうするの、ヒロちゃんと一緒に住むの?」
私「それも多少はあったけど、とうさんに限らず誰だって子供のことは気になるさ。まあ、とりあえずはプロポーズしてもジュンとの生活は今のままにするつもりだけど・・・」
ジュン「そんで、ヒロちゃんはプロポーズされてどうだった?」
私「なんかヒロは泣き出しちゃってさ・・・」
ジュン「ヒロちゃんけっこうオトメンみたいだもんな・・・」
私「そんでさ、ヒロにとりあえず結婚指輪をプレゼントしようと思うんだけど、ジュンはどう思う?」
ジュン「いいんじゃない、とうさんとお揃いの指輪、喜ばないわけないじゃん。」
私「ジュンが賛成してくれて良かったよ・・・」
ジュン「そのかわり、ひとつ条件があるけど・・・」
私「条件って?」
ジュン「オレもヒロちゃんと同じ指輪が欲しい、欲しい、欲しい。」
私「結婚指輪だぞ・・・」
ジュン「ヒロちゃんだけなんてずるい。」
私「ジュン、おまえは○○さんと同じものをするようになるだろう?」
ジュン「それはそうなんだけど・・・ あっ、そうだ、とうさんとヒロちゃん、オレと○○と、4人お揃いにしようよ、すげえいい考えだと思わない?」
私「それはいいけど、とうさん、一度に4個も指輪買えないぞ。それに○○さんが4人お揃いの指輪なんて嫌がらないか?」
ジュン「じゃあ、これからちょっと聞いてみる。」

そう言うとジュンはちょっと席をはずし、○○さんに電話をかけて、指輪の件を説明したみたいだった。

私「○○さん、どう言ってた?」
ジュン「指輪欲しいかって言ったら、すげえ欲しいって・・・」
私「とうさんとヒロのとお揃いだってことは?」
ジュン「それもとうさんたちとお揃いだってぜんぜんかまわないってさ、むしろうれしいってさ。」
私「じゃあ、4個分のお金をなんとかこしらえなきゃならないな。」
ジュン「とうさんは、ヒロちゃんとオレのととうさんのとで3個分でいいよ。○○の分はオレが出す。」
私「ジュン、出せる?」
ジュン「いくらくらいなの、指輪って?」
私「ふだん使えるようなシンプルなものにするつもりだけどね。」
ジュン「それならアルバイトでためた分でなんとかなると思う。」
私「指輪3個分か、けっこうイタい出費だけど、お金はこういう時に使わないといけないな。」
ジュン「わあい、やった、とうさんとお揃いになる。」
私「まあ、ヒロには結婚指輪、ジュンには親子指輪ってことでいいか・・・ まあ○○さんもお揃いだから、ジュンのは結婚指輪にもなるわけだ・・・」

そんなことを話しながら、私たちは気分良くランチを終えた。
その後、ジュンが指輪の下見に行きたいと言い出した。

ジュン「これから指輪の下見に行こうよ。」
私「なんかとうさん、恥ずかしいなあ・・・」
ジュン「大丈夫だよ、オレと○○の指輪の下見ってことにすればいいじゃん。」
私「じゃあ、せっかくだから帰りにちょっと下見していくか・・・」

私たちは繁華街のデパートに言った。ジュンは自分の結婚指輪を父親と下見に来たと、デパートの売り子のお姉さんにうまく説明してくれた。いくつかシンプルだけども、ちょっとしゃれた指輪をいくつも私たちは見ていった。

ジュン「とうさん、オレ、これが気に入ったんだけど・・・」
私「いいね、とうさんもいいと思う。」
ジュン「これなら、飽きずに長く使えそうなデザインでしょ?」
私「派手じゃないけど、良く見るといいデザインなんだよね。」
ジュン「とりあえず、第一候補ということで・・・」
私「○○さんにも相談してごらん。」
ジュン「○○はこだわりはないと思うから、オレが選んだものなら気に入ってくれると思うけどね。どっちかというとヒロちゃんのほうが欲しがるだろうから、ヒロちゃんに聞いてみてね。」

とりあえず、ジュンの指のサイズを測ってもらい、何かのついでという感じで私のサイズも測ってもらった。そして、また来ますからよろしくと言って、私たちはデパートを後にした。
その後、からだを動かしたいというジュンに付き合って、いつものスポーツクラブに行った。私たちはしばらく泳いでから、サウナで大量の汗をかいた。
そして商店街で買い物をして、私たちはマンションに帰ってきた。

夕食にはまだ早かったので、ジュンと私は久しぶりにふたりで少し演奏をした。ふたりともリラックスしたいい演奏が自然にできていた。

演奏の後、ふたりで夕食を作って、ビールを飲みながらゆっくりと食べた。
食後は寝る時間まで、それぞれ好きなことをしてのんびりとすごした。

そして夜遅く、私たちは寝ることにしてベッドに横になった。ジュンはことさら機嫌が良くて、私にくっついて横になると、猫のように私の胸のあたりに頭を何回か擦りつけてきた。私はその頭を軽く撫でてやった。私はジュンの体温が伝わってくるその手から、全身に幸福感が広がっていった。


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ゴールデンウィークはヒロと(その3)

鴨川沿いの眺めのいい料理屋さんでゆっくりと昼食を食べた後、私たちはまた京都の街歩きの続きを始めた。
四条大橋を渡って、こんどは祇園のほうに歩いていった。
祇園の古い町家が並ぶ通りを歩いていると、外国の観光客が多いのに驚く。そして白川の流れを遡ってゆっくりと歩く。

白川沿いに歩いて行くと、有名な白川一本橋に着いた。

白川一本橋
この橋はなぜか幅が異様に狭く、さらに手すりも何もないので、橋の上ですれ違うことすらできない。

ヒロ「ここが有名な一本橋だね、やっぱ幅が狭いや。」
私「これは狭いね、これじゃあバランス崩したら川に落ちるよ。」
ヒロ「手すりも何もないからね。渡るけど、聡一、大丈夫、さっきのビールで酔ってない?」
私「まあそれほど飲んじゃいないからね、ゆっくりまっすぐに歩けば大丈夫だろう・・・」

そう言うとヒロは狭い橋をゆっくりと渡り始めた。そして左手を私の方に伸ばしてきた。

ヒロ「ほら、聡一、俺の手につかまりなよ。」
私「大丈夫だよ、いくらなんでも、このくらいは渡れる。」
ヒロ「そうじゃなくて、聡一と手をつないで渡りたいんだよ・・・」
私「それはわかったけど、人に見られるだろうが・・・」
ヒロ「大丈夫、人が見たって、観光客が洒落で手をつないで渡ってるんだと思うんじゃないかな。」
私「ほら、手をつないだから、さっさと進め・・・」

私たちは大げさなくらいに手をつないで、はしゃいで橋を渡る観光客になりきった。とはいえ、それほど周りには人がいなかったのではあるが。

ヒロ「この橋は、聡一と手をつないでぜったい渡りたかったんだ。」
私「意外によかった・・・」
ヒロ「なら、もう一箇所付き合ってくれる?」
私「こんどはなんだよ。」
ヒロ「鴨川の三条河原で、川原に聡一と並んで座って、川を眺める。」
私「ひょっとして、カップルが川原に少しずつ距離を置いて座ってるってところか?」
ヒロ「そうだよ、聡一も知ってたんだ。」
私「なんか、Webで観光案内見てたら、出てたからね。」
ヒロ「じゃあ、行くよ。」
私「ここから近いのか?」
ヒロ「歩いて行けるよ。」

私たちは鴨川を目指して歩きはじめた。そして三条大橋を渡って、鴨川の川原に降りていった。Webで見た通り、川にそってカップルが点々と並んで座っている。私たちも観光客のふりをして、川原に並んで座った。

ヒロ「今日は、聡一と京都に来られてよかった・・・」
私「なんか、デートみたいだな。」
ヒロ「デートみたいじゃなくて、デートなの・・・」
私「なんか、京都って歩いてるだけでいいんだよね。」
ヒロ「ちょっと、疲れてきちゃった・・・」
私「大丈夫か、明日からしごとだろう?」
ヒロ「ずっとこうしていたいけど、そうなんだよね・・・」
私「ヒロが仕事で会えない時でも、気持ちはつながってるから・・・」
ヒロ「聡一、好きだよ、ずっと俺といっしょにいてくれる?」
私「もちろんだよ、ヒロとずっといっしょにいたい・・・」
ヒロ「それって、プロポーズ?」
私「まだ、言ってなかったっけ?」
ヒロ「ちゃんとは言ってもらってない。」
私「ヒロ、ずっといっしょにいようね。」
ヒロ「うん、なんかすげえうれしい・・・」
私「こら、こんなところで泣くな。」
ヒロ「しょうがないじゃん、涙が出ちゃったんだから・・・」
私「ほら、これで拭いて・・・」

どうもここ三条河原は、そんなことを言わせてしまうパワーがあるのかもしれなかった。私たちはそのまましばらく鴨川を眺めながら座っていた。

私「これからどうする? もっと京都を観光する?」
ヒロ「俺はもうホテルに帰りたい・・・」
私「じゃあ、そうしようか・・・」
ヒロ「どうやってホテルに帰る?」
私「ええと、ここから先斗町を抜けて、四条河原町から阪急に乗ればいい。」

私たちは鴨川から先斗町に出て、狭い道を四条河原町まで歩いた。そこから阪急特急に乗って、ホテルに戻った。

ヒロ「まだ、晩メシには早いね・・・」
私「風呂にでも入って、疲れ取ろうか・・・」
ヒロ「うん、そうだね・・・」
私「ちょっと待って、風呂にお湯を入れるから。」

私はバスルームに行って、バスタブにお湯を入れ始めた。けっこうな勢いでお湯が蛇口から出てきたので、バスタブはすぐにいっぱいになった。

私「ヒロ、お湯入ったよ。」
ヒロ「うん、聡一、ありがとう・・・」
私「どうしたんだよ、ヒロ、なんかヘン・・・」
ヒロ「だって、聡一にプロポーズしてもらって、初めていっしょに入るんだもん、なんか俺うれしすぎて・・・」
私「そっか、じゃあ、お姫様抱っこして、入れてあげようか?」
ヒロ「もう、俺がせっかく幸せにひたってるのに、聡一、ふざけないでよ・・・」
私「ゴメンゴメン、なんか、こっちもちょっと焦ってしまって、ヘンなこと言ったね・・・」
ヒロ「なら許す・・・」
私「じゃあ、服、脱がせてあげるから、こっちおいで。」
ヒロ「俺も聡一の服脱がせてあげる・・・」

なんかふたりとも初めていっしょに風呂にはいるようなちょっと気恥ずかしさを感じていた。
私たちはとりあえず、ちょっと大きめのバスタブに向かい合って座ってお湯に入った。
そして私たちは向い合って、だまって見つめ合っていた。しばらくしてどちらともなく顔を寄せあって、甘いキスをし始めた。それはいつもにも増してとろけるようなキスだった。お互いのものがだんだんと固さを増していった。

私「ベッドに行って、ゆっくりしよう・・・」
ヒロ「うん、このままここで出しちゃうとなんかもったいない・・・」
私「ほら、からだ拭いてあげるから・・・」
ヒロ「そんなことされたら、マジ出ちゃうって・・・」
私「じゃあ、そこだけは自分でふいて・・・」
ヒロ「聡一だって、カチカチじゃんか・・・」
私「ホントだ・・・」

私たちはお互いの中心だけをさけてからだをバスタオルで拭きあった。そしてはだかのまま二人でベッドに倒れ込んだ。

私「ちょっと待って・・・」
ヒロ「なに?」
私「ゴメン、そのままちょっとだけ待ってて・・・」

私ははだかのまま起き上がって、起ち上がったものをぶらぶらさせながら、窓のカーテンを閉じて、さらにバスルームでロール紙を適当な大きさにたたんでいくつか後始末用のものを作った。それをヒロに見られないようにさり気なく枕の下に忍ばせてから、ヒロのとなりに横になった。

ヒロ「聡一、何してたんだよ、なんかちょっと気が散っちゃったじゃんか・・・」
私「ゴメンゴメン、ちょっとヤボ用があってね・・・」
ヒロ「聡一・・・」
私「ヒロ・・・」

私のできるいちばん甘いキスをヒロにしてみた。ヒロのほうは自然に目を閉じてうっとりとした表情をした。
そして私たちはゆっくりとお互いに気持のいいことをしていった。最後までいかないように、じらしてじらして行為を楽しんだ。

ヒロ「あのさ、聡一、もしもだよ、聡一がさ、したいんだったら、いいよ・・・」
私「そう言ってくれるのは、すごくうれしいけど、ヒロ、後ろ感じる?」
ヒロ「いいの、聡一のだったら感じるかもしれないかなって思って・・・」
私「これ、ホント、入る?」
ヒロ「うっ、そうやって見ると、やっぱでっかい、でも、今日したい・・・」
私「それはそうなんだけど、ゴム用意してないし・・・」
ヒロ「聡一のだったら、生でいいよ・・・」
私「それなら、ちょっと試してみるけど、痛かったらすぐ言うんだぞ。」
ヒロ「もうだいぶほぐれてると思うよ・・・」
私「ガマンするなよ。」

私はヒロの両足を持ち上げて、あらわになった後ろに自分のモノをあてがって、すこしずつ入れてみた。」

私「ヒロ、痛そうだね・・・」
ヒロ「痛いけど、もう少し入れてみて・・・」
私「まだ、ほんの少ししか入ってないぞ・・・」
ヒロ「とにかく、早く入れてみて・・・」

私はまたほんの少し腰を動かして、ヒロの中に入れた。ヒロは苦痛で顔を歪めていた。

私「ヒロ、無理するな・・・」
ヒロ「今日できなかったら、この先ずっとできないかもしれない・・・」
私「またいつでも試してあげるから・・・」
ヒロ「まだ、大丈夫だから、入れて・・・」

私はさらにもう少し挿入していった。とりあえず半分くらいは中に入っていた。

私「ヒロ、半分くらい入ってるけど・・・」
ヒロ「ゴメン、もうダメみたい、限界かも・・・」
私「じゃあ、そっと出していくからね・・・」

私は半分くらいかくれていたものを、少しずつ引き出していった。そして時間をかけて全部を引きぬいた。

私「ヒロ、よくガマンしたね・・・」
ヒロ「ゴメン、全部入るまでガマンしようと思ったんだけど、限界だった・・・」
私「いいよ、途中まででもできたんだから・・・」
ヒロ「聡一、ほんとゴメン・・・」
私「なに謝ってるんだよ、ちょっとだけでもヒロとひとつになれて、すごくうれしかった・・・」
ヒロ「聡一、やさしいね・・・」
私「ヒロ、痛くない?」
ヒロ「まだちょっと痛いけど、もう大丈夫・・・」
私「ムリするなよ・・・」
ヒロ「最後は口でしてあげる・・・」

そう言うとヒロはからだを入れ替えて、私のモノをいきなり咥えた。私の目の前にはヒロのものがあったので、私も自然に口に含んでいた。ふたりはお互いのものを貪るように食いつくしていった。
そして最後にはお互いの口の中に勢い良く白い粘液を噴出していた・・・

ヒロ「初夜ってこんなにいいもんなんだ・・・」
私「ヒロ・・・」
ヒロ「聡一、俺、すげえ幸せ・・・」
私「ヒロ、好きだよ・・・」
ヒロ「俺も・・・」

私たちはしばらく抱き合ってお互いの体温を感じながら、だんだんと眠ってしまっていた。

翌朝早く、私はお腹が空いて目を覚ました。前の晩は、夕食も取らずに行為の後すぐに眠ってしまったからだ。まだ早かったけれど、ヒロは仕事のはずだったので、準備があるといけないので、とりあえず起こした。

私「ヒロ、朝だよ、起きな・・・」
ヒロ「ふぁああ、もう朝か、でもよく寝た。」
私「ヒロ、おはよう・・・」
ヒロ「今何時?」
私「まだ6時過ぎだね・・・」
ヒロ「でも、起きて、今日の準備しなきゃ・・・」
私「今日は仕事、何時から?」
ヒロ「10時から。ここを9時に出れば間に合うから、朝食の時間を除いても、まだ2時間は準備に使える。」
私「じゃあ、目覚ましに熱いシャワーでも浴びておいで。」
ヒロ「じゃあ、軽く浴びてくるね。」

ヒロはシャワーを浴びてから、すぐにデスクに向かってノートパソコンを入力し始めた。そしてとりあえず7時にレストランに行って、ビュッフェの朝食を食べてから部屋に戻った。ヒロは出発の時間まで準備を一生懸命していた。
私は荷物をまとめて、ヒロといっしょにホテルを出て、駅に向かった。

私「じゃあ、実家に行ってくるよ。」
ヒロ「俺も仕事頑張ってしておくから・・・」
私「じゃあ、2日後、ここに戻ってくるから・・・」
ヒロ「親孝行しておいで・・・」

そして駅で、私は仕事に向かうヒロと別れて、実家に向かう電車に乗った・・・

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ゴールデンウィークはヒロと(その2)

朝目が覚めると、横向きに寝ていた私の胸に押し付けるようにヒロの頭があった。ヒロはまだぐっすりと眠っていた。私もまだ半分眠った状態で、ヒロの頭を何回か軽くなでていた。ヒロの頭からはシャンプーの匂いがかすかに立ち上っていた。その匂いをかぐと、朝勃ちでもともと硬くなっていたものがさらに硬くなっていた。ヒロの股間を見ると、ヒロも見事にテントを張っていた。このままだと、またヒロが目を覚ますとやりた可能性が大きいんで、私はヒロを起こさなように静かに起き上がって、トイレに行った。そして少し苦労して、夜の間に貯まった水分を排出した。朝勃ちしていたものも、やっと柔らかくなってくれたので、私はベッドに戻った。

私がベッドに横になった動きで、ヒロが目を覚ました。

ヒロ「聡一、起きてたんだ、おはよう・・・」
私「よく寝てたね。」
ヒロ「昨夜は聡一のほうが先にグーグー寝てたくせに・・・」
私「昨日は眠くて、ゴメン。」
ヒロ「うわあ、今朝も俺、すげえ朝勃ち。聡一は?」
私「触ってみたら?」
ヒロ「どれどれ、あれっ、ぜんぜん普通だ、どうしたんだよ、まさかもう朝勃ちしなくなってきたとか・・・」
私「ばあか、そんな年じゃないぞ。さっきトイレに行ってきたからね。」
ヒロ「なあんだ、つまんねえの・・・」
私「ほら、そんなに突っ張らせてないで、早くトイレに行っておいで・・・」
ヒロ「ったく、俺は子供じゃねえっつうの・・・」

それでもヒロは前をふくらませたまま急いでトイレに入っていった。そしてしばらくすると、ヒロはもうシャワーも浴びて身繕いをちゃんとして出てきた。

ヒロ「聡一もシャワー浴びておいでよ、それとも俺がいっしょに洗ってやろうか?」
私「いいよ、とりあえず、からだ洗ってくる。」

私は熱いシャワーを浴びて眠かったからだを目覚めさせた。ヒゲも剃って、髪を整え、さらにコンタクトを入れて、バスルームから出ていった。

ヒロ「おお、聡一、完璧。あらためて惚れなおした・・・」
私「ばあか。ほら、朝食のビュッフェ、食べに行こう。」
ヒロ「あれっ、しないの?」
私「おはようのキスならいくらでもするけど・・・」
ヒロ「そうじゃなくて、三倍返しのほう・・・」
私「明日から仕事だろ、イケてるヒロ先生が眼の下にクマなんか作ってるわけにいかないんじゃないのか?」
ヒロ「ううう、イケメンはつらい・・・」
私「自分で言うな。」

レストランに降りていって、中に入ると、とても食べきれない種類の様々な料理が並んでいた。

ヒロ「俺はパンを中心に、オムレツとか、サラダとか、ソーセージにする。」
私「そうだね、今朝は洋風にしようか。」

とりあえず私たちは、オレンジジュースとコーヒーを取って、それで渇いたノドをうるおしてから、料理を取りに行った。

ヒロ「ううう、ちょっと取り過ぎたかな・・・」
私「まあ、朝だからたくさん食べても大丈夫。」
ヒロ「ここのビュッフェ、けっこう種類もあるし、味もいいね。」
私「まあ、いいホテルだからね、このくらいは出さないと。」
ヒロ「今日は京都に行きたいな。」
私「どこに行く?」
ヒロ「三十三間堂に行きたい。」
私「じゃあ、新快速でとりあえず京都駅に行こう。」

朝食を食べたあと、部屋で少し休んでから、私たちは大阪駅に向かった。少し待って、新快速に乗ると、30分ほどで京都駅に着いた。

京都駅の中央口を出ると、ヒロが歩いていけるところにいい庭園があるというので、そこまで歩いて行った。
10分ほど歩くと、静かな環境のところにその庭園はあった。
なんでも近くにある東本願寺の別庭ということらしい。
中に入ると、パラパラと外国人の観光客がいるくらいで、あまり人が多くなかった。私たちは順路にそって庭園を回遊していった。

京都渉成園
庭園内をヒロと肩を並べてゆっくりと緑の景色を楽しみながら歩いて行くのは快適だった。

私「なんか、京都らしくていいよね。」
ヒロ「ゴールデンウィークなのに意外に人が少ないね。聡一とくっついて歩けてうれしい。」
私「ちょっと座って休む?」
ヒロ「あそこが景色良さそう。」
私「こんなに京都駅から近いところに、いいお庭があるんだね・・・」
ヒロ「もう少し人が多いかと思ってたけど、今日は静かですげえいい感じ。」

私たちは景色のいいところに並んで座った。池を渡ってくる風が心地よかった。

日本庭園でまったりとすごした後、こんどは七条通を、東に向かって歩いて行く。途中鴨川を渡り、少し坂を登ったあたりに三十三間堂の入口があった。拝観料600円を払って中に入る。
入るといきなり千体の千手観音の後ろ姿が見えてきた。
前に回ると、すぐに有名な風神像が見えてきた。

ヒロ「これこれ、これをじっくり見たかったんだ。」
私「この像、ここにあったんだね、知らなかった・・・」
ヒロ「千体の観音様もすごいけど、この風神は一体ですごい存在感だね。」
私「躍動感があって、これは見飽きないね。」
ヒロ「千体の観音様も一体一体少しずつ違ってるね。」
私「表情がそれぞれ微妙に違ってるからね。」
ヒロ「おお、中央にでっかい仏様がある。」
私「他よりも圧倒的に大きいけど、これも千手観音なんだね。」
ヒロ「それにしても鎌倉時代の仏様でしょ、すごいよね。」
私「あっ、これが帝釈天様なんだ。」
ヒロ「あの寅さんで有名な帝釈天? あっ、すげえ、元の名前はsakraなんとかかんとかなんだ、寅さんの妹のさくらは帝釈天様ってことなんだ・・・」
私「なるほど、おもしろいね。」
ヒロ「おお、最後に雷神様がいた。なんか風神様と離れて置かれてるけど、並べていっしょに見てみたいね。」
私「そうすると、さらに迫力があるだろうね。」

そんなことを話しながら、私たちは三十三間堂の仏様を思う存分堪能したのだった。

三十三間堂を出て、私たちは来た道を少し戻って、京阪電車の駅に行き、2駅のって四条に行った。
四条大橋を渡って、先斗町界隈の床のある店に入った。

女将「ようおこし、まあ中へどうぞ。」
ヒロ「床はあります。」
女将「それがな、床はまだやってしませんのどす。まだまだ寒うおますさかい。でも2階に鴨川のよう見える座敷がおます、それでどうでっしゃろ。」
私「川風はまだ寒いかもに、眺めがいいんだったら座敷のほうがいいんじゃない。」
ヒロ「じゃあ、2階の座敷でお願いします。

女将に案内されて、窓ガラス越しに鴨川のよく見える席に私たちは座った。
京料理のあまり高くないセットを注文して、とりあえずビールで乾杯した。
私たちはランチの比較的安いセットを注文した。そして、休日なのでビールも一杯ずつ飲むことにした。

ヒロ「京都の和食の店で鴨川を眺めながら、昼からまったりとビールを飲むなんて、最高。」
私「あんまり飲むと午後歩けなくて観光できなくなるぞ。」
ヒロ「そうなったら、ホテルに戻って、楽しいことすればいいじゃん。」
私「まったくすぐソッチのほうにいく・・・」

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genre : 恋愛

tag : ゲイの父親

ゴールデンウィークはヒロと(その1)

ゴールデンウィークの最初の日、ジュンが翼くんのところに出発するので、私は車で成田までジュンを送っていった。車だと渋滞するといけないので余裕を取って行ったら、少し早く着きすぎてしまった。
空港内のカフェに座ってジュンと時間をつぶしてから、直さんと待ち合わせている航空会社のチェックインカウンターに行った。少し待っていると、直さんが大きなスーツケースをカートに乗せてやってきた。

直さん「あっ、ジュンちゃん、ソウさん、待ちました?」
私「私たちも今来たばかりです。」
直さん「それならよかった。」
私「直さん、旅行中、ジュンをよろしくお願いします。」
ジュン「直さん、よろしくね。」

ジュンと直さんはチェックインを済ませて、荷物も預けてしまい、余裕をみて早めにゲートの中に入っていった。ふたりを見送って、私も駐車場で車に乗って、空港を後にして、マンションに戻った。
まだ昼過ぎだったので、私はからだを動かしにスポーツクラブに行った。マシンを使った後、プールでゆっくりと泳いでから、私はサウナに入った。サウナで十分に汗を出してから、私はシャワーを浴びた。
スポーツクラブを出て、スーパーで買い物をして、マンションに戻ると、ヒロから電話がかかってきた。

ヒロ「そっちに行くの、8時過ぎになっちゃうけどいい?」
私「いいよ、晩メシ作っておくからね。」
ヒロ「うれしいな、じゃあお腹空かせて行くね。」
私「じゃあ、待ってるから、なるべく早くおいで。」
ヒロ「わかった、じゃあ後で・・・」

ヒロが来るのが少し遅くなったので、私はちょっとだけヴァイオリンの練習をした後、ゆっくりとビールを飲みながら、晩ごはんの準備を始めた。

8時半頃、ヒロがマンションにやって来た。

ヒロ「ゴメン、8時半になっちゃった。聡一、お腹すいただろう?」
私「まあね、でもビール飲んでたからそうでもなけどね。」
ヒロ「ゴールデンウィークが始まったし、ジュンちゃんはいないし、うれしいな。」
私「ジュンは今頃はまだ飛行機の中だな。」
ヒロ「せっかくジュンちゃんがいないから、今年のゴールデンウィークは聡一をずっと独占できたのに、30日から2日までは、関西で仕事だもんな・・・」
私「でも、とりあえず明日は関西まで行けるからいいだろう。」
ヒロ「そんで聡一は、俺があっちで仕事の間はどうするの?」
私「とりあえず大阪でヒロといっしょに2泊して、30日には実家に父の様子を見にいくよ。そんで、2日にはまた大阪に戻ってヒロと合流して1泊して、3日の夜に東京に帰るということにしたいんだけど・・・」
ヒロ「じゃあ、とりあえずは大阪で聡一とは合計3泊いっしょに泊まれるんだね。」
私「そういうことだね、だから29日と3日の2日間はずっとヒロと関西の観光ができるよ。」
ヒロ「最初の2泊は、俺は仕事前だから、ある程度はセーブしなきゃならないけど、最後の1泊は、この間の三倍返しにさらに利子をつけて、楽しませてもらうからね。」
私「はいはい、いくらでもお返しするから。」
ヒロ「ふふふ、楽しみだ・・・」

夕食をゆっくりと食べて、その後、少しふたりで飲んでから、ヒロは仕事で疲れているらしく、ソファーで居眠りを始めたので、早めにベッドに入って寝ることにした。

そして翌朝早く起きて、私は旅行の荷物を手早くして、ふたりでヒロのマンションに行った。ヒロはその日の分の練習と言ってとりあえず1時間ほどピアノを弾いた。私はヒロのピアノを聞きながら読書をしていた。そしてその後、仕事の荷物やら、着替えの服をスーツケースに入れて、マンションを出て、そこからはタクシーで東京駅に向かった。
東京駅からはのぞみの自由席の列に並んで、なんとか二人掛けのほうの席を確保して、私たちは並んで座った。
相変わらず、ヒロは関西での仕事の準備をしなければならないとかで、新幹線の中でも小型のノートパソコンを取り出していた。私は退屈しのぎに、窓側の席に座って、流れ去る景色をぼんやりと眺めていた。
昼になったので東京駅で買い込んだ駅弁を食べたりしているうちに、のぞみは新大阪駅に着いた。

新幹線を降りて、在来線の電車でひと駅乗ると、すぐに大阪駅に着いた。ヒロの泊まる予定のホテルは大阪駅からすぐのところだった。
ホテルにチェックインして、部屋に入ると、部屋の奥にゆったりとしたダブルベッドがあり、その手前はソファが置かれてくつろげるようになっていた。インテリアも落ち着いた色合いで高級感があった。

私「ここ、駅から近いし、部屋もいいし、けっこう高いんじゃないの?」
ヒロ「大丈夫、建物自体は古いから、意外とリーズナブルらしいよ。まあ俺は仕事先が取ってくれたところだから、いくらかは知らないけどね。」
私「まだ2時すぎだね、どうしようか?」
ヒロ「俺の仕事先を見せてあげようか、そこで俺、ちょっとピアノを借りて弾いてもいい?」
私「もちろんいいよ、ヒロの練習聞きながら本を読むのってけっこういいんだよね。」
ヒロ「夜はちょっと行きたいところがあるから、聡一はメガネを外してコンタクトにしてほしいんだけど・・・」
私「どこに行くんだよ?」
ヒロ「それは、行ってからのお楽しみ・・・」
私「じゃあ、コンタクト入れるから、ちょっと待って。」

私はコンタクトを入れて、少しおしゃれな服に着替えてから、ヒロとホテルを出た。ホテルからすぐの駅から電車に乗って、意外に早くヒロの仕事先の最寄り駅に着いた。仕事先は駅から歩いていけるくらいの距離だった。ヒロがレッスン室を借りたので、私もいっしょにそこに入って、ヒロの練習を聞きながら、1時間ほど読書をした。

そして、また電車で梅田に戻って、地下鉄で本町まで行った。そして心斎橋筋をブラブラと南に向かって歩いて行った。途中のカフェで休憩したりして、難波あたりの飲食店街を歩いていたら、ちょっとしゃれたワインバーがあったので、そこに入って、ワインを飲みながら夕食をとった。
大阪
食事の後、戎橋に行って、大阪名物のグリコの電飾看板を見物した。

そして地下鉄で梅田に戻って、ヒロの知り合いのいるというバーに行った。雑居ビルの中の店に入ると、カウンターの中の若い方の男性がヒロを見て、嬉しそうに出迎えていた。

ヒロ「やあ、久しぶり・・・」
店の人「あら、やあだ、ヒロじゃないの。」
ヒロ「ちょっとこっちに来たんで・・・」
店の人「やだ、こちら、まさかヒロの彼氏?」
ヒロ「まあ、いちおう・・・」
店の人「紹介して。」
ヒロ「ええと、こちらが聡一さん、俺の彼氏・・・ こっちは前に東京で知り合った誠人くん。」
店の人「ヒロ、カッコええ人見つけたやん。いや、ホンマにお似合いやわ・・・」
ヒロ「もう関西弁にもどったんだ・・・」
店の人「東京ではムリして標準語使ってたけど、やっぱこっちの言葉のほうがええわ。」

ヒロと誠人くんは、それから少しの間、共通の知り合いのこととかを話していた。その間、私は店のマスターとおしゃべりをしていた。ヒロと誠人くんの話も終わり、その後は私はヒロと取り留めもないことを話した。

私「知り合いの消息はわかったの?」
ヒロ「うん、いろいろとね。」
私「誠人くんてかわいい子じゃないか・・・」
ヒロ「げっ、誠人って聡一のタイプだった? それとも妬いてくれてる?」
私「ばあか、でも顔だけじゃなくて性格もよさそうだ・・・」
ヒロ「そうなんだよね、誠人ももう少し、しっかりしてたら、男にコロッと騙されたりしなくなるんだけどね・・・」
私「でもそういうのがいいって男もいるだろう・・・」
ヒロ「まさか聡一もそうだとか?」
私「まさか、私はヒロみたいに、見かけはちょっとチャラくても、ホントはしっかりしてるほうがいいぞ。」
ヒロ「それって、ほめてくれてんの?」
私「聞くな・・・」
ヒロ「うれしい、聡一がめずらしく俺のことを好きって言ってくれた・・・」
私「こらこら、そこまで拡大解釈するか・・・」
ヒロ「またまた、聡一ったら照れちゃって・・・」

私たちはバーで酒を飲みながら、ゆっくりとした時間を楽しんだ。バーからは酔い覚まして、夜の大阪の街をブラブロと歩いてホテルまで帰った。

もう時間も遅かったし、疲れていたので、私はすぐに寝たかった。

私「眠い、シャワー浴びるのもめんどうだから、このまま寝るよ。」
ヒロ「いいよ、聡一の匂いだったら、俺、気にならないから。」
私「じゃあ、寝よう。」
ヒロ「俺はとりあえず、軽くシャワーを浴びる。だって俺って包茎だから、こまめに洗っとかないとけっこう臭うし、痒くなったりすると嫌だから・・・」
私「じゃあ、先に寝ちゃうかもしれないぞ。」
ヒロ「今日は寝かせてあげるけど、そうしたら明日はまた三倍返しだからな。」
私「何倍でも返すから・・・」
ヒロ「その言葉、忘れないでね。」

ヒロはベッドに上に脱いだ服をおいて、素っ裸でバスルームに歩いて行った。
私はベッドに横になると、すぐに睡魔に襲われて、熟睡してしまっていた。



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