俊顕くんちのコンサート

先週の土曜、久しぶりに俊顕くんの家で私たちのコンサートが行われた。俊顕くんもジュンも社会人になって一年以上になり、少しは余裕ができてきたので、思い切ってやることになったらしい。
今回のコンサートでは、私も新しい曲をやることになって、ここ数ヶ月はけっこう練習を積み重ねてきた。それでも初めて人前で演奏する曲というのはけっこうプレッシャーで、いくら練習してもうまくいかないような思いにとらわれていた。

コンサート前日の金曜の夜、私は仕事を終えてから、一度家に帰って、ジュンと二人で翌日の準備をしてから、私はヒロのマンションに、ジュンは俊顕くんの家に泊まって最後の練習するということでいっしょに部屋を出た。
途中駅でジュンとわかれて、ヒロのマンションの最寄り駅で降りて、近くのスーパーで買い物をしてからヒロのマンションに行った。
その日はヒロは仕事で遅くなるということだったので、私は夕食の準備をしてから、ひとりで最後の足掻きで、ヴァイオリンをさらった。

そしてしばらくするとヒロが帰ってきたので、ふたりで遅めの夕食をとった。

私「それにしても、なんか始めての曲は心配だよね。」
ヒロ「だいじょうぶだよ、聡一、弾けるようになってるって。」
私「何もなければ、最後までちゃんと弾けそうだけど、どっか途中でひっかかっちゃうと、パニクっちゃってそこから弾けなくなりそう・・・」
ヒロ「だいじょうぶだよ、そういう時は俺がちゃんとフォローしてあげるからさ、安心していいよ。」
私「パニックになると、頭の中がまっしろになるからなあ・・・」
ヒロ「それじゃあ、復元ポイントを決めとこうよ、なんかあったら、そこで合わせる。」

夜なので夕食は少し軽めに済ませて、私たちは防音室に入って、演奏中に私が落ちることがあったら、復元できる場所をそれぞれの楽章で決めた。

ヒロ「これで安心でしょ、わかんなくなったら復元ポイントまで、聡一は俺のピアノに合わせてメロディーラインを適当に弾いてたら、なんとかなるって。そんで、ここから、入ってくればいい。」
私「だね、わかった、なんとかなりそう。」
ヒロ「ていうか、俺の予想では、聡一は落ちたりしないと思うけどね。」
私「ああ、がんばるけどね・・・」

コンサートの前日なので、練習は早めに切り上げて、私たちはべっどん入った。

ヒロ「それにしても、俊顕んちのコンサートは地獄だよね。」
私「確かに聴衆の耳が肥えてるから、手が抜けないよね。」
ヒロ「そうじゃなくて、出演の条件に最低10日の禁欲を強要されるじゃん。5日くらいならなんとかガマンするけど、10日は、キツイ。」
私「でも、やっぱ禁欲ってそれなりに効果があると思うよ。」
ヒロ「それは認めないわけじゃないけど、ちょっとつらい。」
私「それも明日までだよ。」
ヒロ「なんかおいしいものを目の前に置かれて、オアズケくらってるみたいなもんだよね。」
私「がまんするから、そのあとが楽しいんだよ。」
ヒロ「明日の夜は、ジュンちゃんは直さんが面倒見てくれるみたいだから、聡一と俺はふたりだけで、フフフ・・・」
私「こら、よだれをたらすんじゃないって・・・」
ヒロ「聡一だって勃起してるくせに。」
私「ほら、もうその話は終わり、寝なさい。」
ヒロ「しょうがねえなあ、明日のために、さっさと寝るか・・・」
私「おやすみ、ヒロ。」

いろいろと文句を言っていたわりには、ヒロはしばらくすると眠り始めていた。至近距離でヒロの寝顔を見ていた私も、だんだんと眠っていた。

翌朝、早めに起きて、朝食を食べ終わる頃に、俊顕くんの家の車が迎えに来てくれた。顔見知りの運転手さんと取り留めのないことを話しながら、車はすべるように滑らかな運転で俊顕くんの家まで連れて行ってくれた。さすがにこういう運転手さんの運転技術は、同じプロとはいえタクシーとは違ってレベルがはるかに高い。

ほとんど疲れもないまま俊顕くんの家に着き、中に入ると、ジュンと俊顕くんの弾くピアノが聞こえてきた。

ヒロ「うわあ、あいつら、またいちだんレベルアップしてやがる。素人のくせに生意気な。」
私「ヒロにそう言われたら、ふたりとも喜ぶんじゃないかな。」
ヒロ「そんなことふたりに言っちゃダメだって、秘密秘密。ますます付け上がって、俺、手に負えなくなっちゃうよ。」
私「心配しなくても、ヒロのピアノはプロだけのことはあると思うよ。」
ヒロ「俺がどんなヘロヘロの演奏しても、聡一は喜ぶくせに・・・」
私「ヒロとジュンのピアノだけは、どんな演奏されてもよく聞こえるのは事実だけどね。まあそれは、ヒロの演奏がいつもちゃんとしてるからだよ。」
ヒロ「まあ、聡一にそう言われると、悪い気はしないけどね・・・」

私たちは、紅茶を飲みながら、ふたりの練習を聴いていた。ふたりとも、社会人になって成長したのか、演奏に奥行きが増して、聴きごたえのある演奏をしていた。

ふたりの演奏の後は、私とヒロが練習をした。私のほうは、予定していた120%の演奏まで行き着くことが出来ず、一部納得のいかないところもあったのだが、ヒロのピアノはいつでも安定しているので、それに乗っかってなんとか合格点の演奏ができそうだった。

俊顕くん「聡一さん、何ヶ所か自信ないとこがあるでしょう?」
私「ちょっといくらやっても、なんとなくうまくいかないところがあるんだよね、やっぱわかった?」
ヒロ「けっこうホントはちゃんと弾けてるのに、ヘンに慎重なんなとこがあるんだよね、だから自信なさそうに聞こえるんだと思う。」
俊顕くん「ヒロさんのピアノといっしょなんだから、聡一は、もう好きにしてって感じで、すべてをヒロさんにゆだねたらいいんじゃない、いつもベッドでしてるように・・・」
私「ばあか、ベッドでは主導権はだな。」
ジュン「もう、ヒロちゃんがベッドでどうだろうが、どうでもいいよ。こんどはぜったいオレがとうさんと演奏するからな。」
俊顕くん「やれやれ、聡一さん、イヤミなくらいモテモテだな。」
私「うるせえ。」

そのあと、直さんも加わって、とりあえずリハーサルのようなものをして、お昼になった。
俊顕くんちでいつも出前を頼んでいるうなぎ屋さんの、うな重を食べて私たちはエネルギーを補給した。

直さん「それにしても、こんな精力のつくものを食べたら、演奏前に元気になりすぎそうだよ。」
俊顕くん「ちゃんと禁欲してくれました?」
直さん「したした、しょうがねえもんな、それにしても苦しかったぜ。」
俊顕くん「翼さんは、禁欲に協力してくれたみたいですね。」
直さん「翼はわりと淡白だから、むしろ喜んでるよ。でも、翼はおとといから急な出張で出かけちゃったけどね。」
ジュン「翼にいちゃんって、カッコいいよね、さっそうと世界を相手に仕事してるんだもん。」
俊顕くん「翼さん、たいへんなんだなあ。」
直さん「せっかくコンサートに招待してもらってたのに、来られなくてゴメンって言ってた。」

昼食の後は、休憩時間ということで、私たちは思い思いのやり方で、コンサートへの気持ちを調整していた。

コンサート開始30分前に、俊顕くんの母上があいさつのために現われた。

母上「いつも、演奏していただいて、ほんとうにありがとう。今日もよろしくお願いいたしますわね。」
私「こちらこそ、いつも演奏の機会を作っていただいて、感謝しています。」
ヒロ「こちらでの演奏は、いつも身が引き締まるような緊張感があります。」
直さん「回数を重ねるにしたがって、演奏のレベルが上がってますから、そのうちぼくなんかは出られなくなるかも・・・」
母上「毎回良くなっているのは事実ですけど、その中には直さんも含まれておりますわよ。私は直さんのモーツァルト、好きですわ。今回は俊顕といっしょに弾いてくださるそうで、ほんとうに楽しみにしていますのよ。」
俊顕くん「そろそろ、お客さんが来始めてるんでしょう、そちらのお相手はいいんですか?」
母上「あら、たいへん、私はこれで失礼します。今日はよろしくお願いしますわね。」

そう言うと母上はいそいそと部屋を出ていった。

俊顕くん「すみません、お騒がせしました。」
ヒロ「それにしても、チョー本物の奥様って感じだよね。」
俊顕くん「普通の母親のほうが、俺はいいと思うけどね。」
ジュン「オレなんか、母親いないもん。」
俊顕くん「ジュン、ゴメン、ヘンなこと言っちゃって・・・」
ジュン「まあ、オレのとこは、その代わりにとうさんがやさしいからいいけどね・・・」
直さん「俊顕、演奏前の集中はしなくていいのか?」
俊顕くん「ああ、そうだった、俺、ちょっとベッドルームにこもって、集中します。」

そして私たちは、演奏するときの衣装というほどではないけれど、午後のコンサート用の服にそれぞれ着替えた。

そしてコンサートの時間がやってきた。

まずは、直さんと俊顕くんのモーツァルトで、二台のピアノのためソナタ。この曲はここのコンサートでは初めてではないけれど、直さんと俊顕くんの組み合わせではまだ演奏されていない。
直さんの、幾分軽めだけど芯のあるころころとしたタッチのピアノと、俊顕くんの深いタッチのピアノのコントラストが、ほどよい緊張を生み出して、聞いている私たちを自然に演奏に引き込んでいくような、いい演奏だった。
前半最後の演奏が私とヒロだったので、本来なら、私たちは出番まで控え室で待っているはずだったが、私はヴァイオリンを手にして、サロンのいちばん後ろに立って、ふたりの演奏を聴いたのだった。

そして、ふたりの演奏が終わると、次はジュンのピアノ・ソロで、ブラームスのインテルメッツォが2曲。ブラームスらしいロマンティックな情感に溢れた曲を、いつの間にこんなに色っぽくて、さらにしなやかで奥行きのある演奏をできるようになったのかと、私でさえ驚くようなジュンの演奏だった。その演奏を聴いていると、私はなぜか感極まって目が少しウルウルしてしまっていた。

そしていよいよ私とヒロのシューマンになった。とりあえず、私もヒロも楽譜をおいての演奏をするつもりだったので、私用の楽譜立てが準備された。ヒロのほうの譜めくりは、直さんがしてくれることになっていた。
私とヒロは舞台に出て、ゆっくりとあいさつをして、位置についた。直さんもその間に出てきてヒロの斜め後ろに座った。
私はヒロに向かい合って、うなずきあって、演奏の開始を確認した。
そして、幸先のいいことに、ヒロのピアノと同時に、さらにちょうどいい音で弾き始めることができたので、そのあとはヒロのピアノにのっかって、私は気持ちよく演奏を続けた。一楽章の提示部の繰り返しのあたりから、私たちの出す音が、演奏会場からスコンと抜けて、気持ちのいい広々とした空間に際限なく広がっていった。
そして気持ちのいいまま、いつの間にか18分ほどの演奏を終えてしまっていた。
会場から起こった暖かい拍手の音で、私たちは、現実の演奏会場に舞い戻ってきたような気がしていた。

雲の上を歩くような感じで、楽屋がわりの俊顕くんの部屋に戻ると、ちょうど休憩時間になったので、ジュンと直さん、俊顕くんが待ってくれていた。

ジュン:もう、ヒロちゃん、ズルい、こんどはぜったいオレがとうさんと演奏するからね。
俊顕くん:やっぱ、ラブラブのカップルの演奏は、一体感がすごい。
私:俊顕、それ、ホメてんのか、それともヤキモチか?
俊顕くん:やだなあ、聡一さんって、そんなひねくれてましたっけ?
直さん:なんか、聴いてて、自然に聡一とヒロちゃんの世界に巻き込まれていった感じだよね。
ヒロ:なんか久しぶりに、ほんとうに気持ちのいい演奏ができた気がする。

休憩の後は、俊顕くんの指慣らしの軽いサティの演奏があり、そしてこの日のメインである、ジュンと俊顕くんの、2台のピアノによるペトルーシュカが演奏された。この日のために、ふたりは相当練習してきたので、聴き応えのある活き活きとした素晴らしい演奏だった。

そして最後にアンコールを、2曲演奏して、その日のコンサートは終わった。

そして演奏者と聴衆がいっしょになっての、アフターヌーンティーパーティーが開催された。
そこにはジュンの会社でお世話になっている人たちをあらためて紹介された。

そしてその日の夜は、ジュンは直さんのマンションに泊まることになっていたので、私はヒロとふたりで俊顕くんが呼んでくれたタクシーに乗って一緒に帰った。
ジュンは気をきかせてくれたようだが、私たちは演奏の疲れのせいか、そのままなにもなく寝てしまっていた。

翌朝、久しぶりにゆっくりと寝て、ブランチをふたりで食べてから、私たちは久しぶりに昼間のエッチを、明るい部屋の中でゆっくりと楽しんだのだった。


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俊顕くんちの別荘で合宿(3)

朝食を終えて、少し休憩してから、私たちは練習を始めた。本格的な練習は明日からになるので、練習というより、演奏を楽しんだという感じだった。

昼ごはんは、○○さんに負担をかけないように、外で食べることにした。俊顕君たちの言いつけの店で私たちはゆっくりと昼食を楽しんだ。
そして午後は乗馬をするという俊顕君に付き合って、乗馬牧場に行き、私も少し乗馬を教わることになった。一時間、馬場で乗馬の講習を受けただけで、私のからだは悲鳴を上げ始めていた。

俊顕君「最初はヘンなところに力が入るから、疲れるんですよね。」
直「ぼくも最初のときは、けっこう筋肉痛になったもんなあ。」
俊顕君「直さんは3回目くらいだけど、けっこう乗れるようになったから、聡一さんも後二回くらい練習すれば、だいじょうぶですよ。これから外乗に行きますけど、聡一さんはどうします? 初心者向もだいじょうぶなコースに行きますけど。」
私「今日はパス。これ以上やると、ヴァイオリン弾けなくなりそう。」
ジュン「とうさんも行けばいいのに・・・」
私「ジュンは行っておいで。とうさんはここのテラスで本でも読んでるから。」
俊顕君「じゃあ、俺たちは一時間くらい外乗してきますね。」
私「ゆっくり楽しんでおいで。」

三人はそれぞれ馬に乗って、牧場主の馬の先導で林の中に消えていった。私は眺めのいいテラスに座って、ビールを飲みながらしばらく景色を眺めていた。

一時間ほどすると三人が帰ってきた。

私「楽しかった?」
ジュン「うん、すげえ気持ちよかった。」
直さん「やっぱ、外乗はいいなあ・・・」
俊顕君「けっこう楽しめるでしょう。今度はもっと遠出をしようね。」
直さん「聡一、退屈しなかった?」
私「テラスで山を見ながらビールを飲んでたら、あっという間に時間がたったよ。」
直さん「ビール飲みたいなあ。」
俊顕君「直さん、飲んでいいですよ、帰りは俺が運転するから。」
ジュン「いいよ、俊顕もビール飲みなよ、運転はオレがする。」  
直「そうか、誰かひとり飲めなくなるんだね。それじゃあ、別荘に帰ってから飲もうよ。それにヒロちゃんと翼を迎えに行かなきゃならないだろう。」
俊顕君「そうだね、ジュンひとりが飲めないのはかわいそうだからね。」

私たちは一度別荘に帰った。そして私と直さんを下ろして、俊顕くんとジュンはそのまま車でヒロと翼くんを駅まで迎えに行ってくれた。
しばらくすると俊顕君の車が、4人を乗せて帰ってきた。

俊顕君「どうぞ、中に入って。」
ヒロ「おじゃまします。」
翼くん「俊顕くん、呼んでくれてありがとうね、俺、コンサートには出ないのに・・・」
俊顕くん「それはいいんですって。逆に俺たちが練習してる時に、翼さんには退屈させちゃうかもしれないから・・・」
ジュン「翼にいちゃん、オレたちの演奏を聞いたら、感想を教えてね。」
翼くん「俺は感想を言えるほどクラシックはわからないよ。でも、ジュンちゃんたちの演奏を聞くのは好きだからね。」
俊顕くん「確かに親しい人が演奏するとすごく聴いてて気持ちいいよね。さらに好きな人の演奏は気持ち良さを通り越して、エクスタシーだよね、ね、聡一さん。」
私「なんで、こっちに話をふるんだよ、俊顕・・・」
俊顕くん「聡一さんが、ジュンとかヒロさんの演奏を聞いているときの、うっとりとしたまぬけな顔を思い出したから。」
私「俊顕こそ、ジュンのピアノを聞いてる時、どうしようもないほど締りのない表情をしてるだろうが。」
ヒロ「確かに、同じ料理でも好きな人に作ってもらうともっとおいしく感じるのと同じで、好きな人の演奏は気持ちよく聞こえるよね。」

少し休憩した後、ヒロがコンサートでやる曲を夕食までの時間を利用して練習することにした。
練習が終わって、全員が集まったということで、とりあえず乾杯をした。そしてちょっと飲んだ後、○○さんの手製の夕食を楽しんだ。

俊顕くん「じゃあ、今夜は、当然聡一さんはヒロさんと、直さんは翼さんといっしょでいいですよね。ということは、俺はジュンといっしょということで。」
私「こら、俊顕、顔がにやけてるぞ。」
直さん「ジュンちゃんと堂々といっしょに寝られてうれしいのはわかるけどね。」
俊顕くん「ったく、なに言ってるんですか、もう直さんまで。とにかく、聡一さんカップルは俺の部屋を使ってください。直さんと翼さんは和室でもいいですよね。ジュンと俺は、親のベッドルームを使うから。」
ヒロ「じゃあ、聡一、部屋を使わせてもらおうよ。」
俊顕くん「はいはい、部屋の準備はできてます。ご、ゆ、っく、り・・・」
直さん「じゃあ、ぼくたちも部屋でまったりするよ。」
俊顕くん「和室のほうはすでに布団が敷いてありますから、いつでもどうぞ。ああ、言っときますけど、和室のほうはちょっと音が部屋の外にもれることがありますから、直さん、あんまかんばりすぎないようにね。聡一さんのほうの部屋は防音しっかりししてるから、安心してどうぞ。」
私「そういうのを、よけいな一言って言うんだよ。」
直さん「ったく、それじゃあ、思い切りできないじゃん。」
翼くん「イロボケの直にはそのくらいがちょうどいいんじゃないの・・・」
ジュン「なんか、オレ、眠くなってきた・・・」
俊顕くん「そう、じゃあ、もう寝ようか。ジュン、寝巻きは?」
ジュン「オレ、いつものようにトランクスだけで寝る。」
俊顕くん「そうだね、そのほうが楽だもんな。」
私「俊顕、よだれ垂れてんぞ。」
俊顕くん「な、なに言ってんですか、聡一さんは早く部屋に行って、ヒロさんといちゃついてください。」
直さん「じゃあ、ぼくたちも部屋に行かせてもらうよ。」

みんなそれぞれの部屋に別れて入っていった。私たちは、本来は俊顕くんの部屋をヒロとふたりで使わせてもらうことになった。

ヒロ「聡一、会いたかったよ。どうしてこういう時に限って、断れない仕事が入るんだろうね。」
私「大学関係の仕事以外は断ってるんじゃなかったっけ?」
ヒロ「基本、そうなんだけど、やっぱ今後のことを考えると断れない仕事もあるんだよね・・・」
私「疲れてるんだったら、すぐ寝る?」
ヒロ「寝ない。やんなきゃなんないことがある。」
私「ヒロ。目がギラギラ輝いてるぞ。」
ヒロ「だって、ずっとおあずけだったし、すげえしたいんだからな。昨夜はがまんしきれなくて、聡一のことを想像しながら、久しぶりにシコっちゃったよ・・・」
私「どんなことを想像してやったんだよ?」
ヒロ「ええとねえ、想像の中での聡一は、すけべでやりたい放題かな・・・」
私「ったく、どういう想像をしてんだよ・・・」
ヒロ「とにかく、この部屋はちゃんと防音してあるみたいだし、思いっきりやっていいって、俊顕が言ってくれたし・・・」
私「とは言え、そっちのドア、○○さんの滞在してる部屋に直接つながってるんだからな、すぐに俊顕様のお世話ができるようにって。」
ヒロ「ふうん、そうなんだ、セレブのおぼっちゃまはすごいんだね。でもそのドアも防音されてるみたいだし、だいじょうぶだよ。」
私「おっ、ヒロ、美容院行った?」
ヒロ「おっ、やっと気づいてくれたね、聡一。昨日仕事の前に、朝いちで美容院行ってきた。」
私「そうだったんだ・・・」
ヒロ「もう、聡一ったら、なに俺のこと、見とれてるんだよ・・・」
私「そういう髪型もけっこうかわいいなって・・・」
ヒロ「ホント、聡一がほめてくれてよかった・・・」
私「ヒロ、もっとくっついてきなよ。」
ヒロ「うん・・・」

私はヒロに軽くキスをした。それだけで、ヒロのからだが少し熱を持ってきたのがわかった。それでも俊顕くんの教えどおり、私はあわてずに、ゆっくりとヒロのからだを開花させていくことにした。

ヒロ「どうしたの、聡一、今日はなんかすごく優しいというか・・・」
私「いつもと同じだよ。」
ヒロ「俺、もう勃起しちゃった・・・」
私「夜は長い、ゆっくり楽しもうね。」
ヒロ「なんかからだがほてってきてる・・・」
私「じゃあ、着てるものを脱がせてあげるよ。」
ヒロ「うん・・・」

ヒロを見ると、顔がポッと赤くなって、目がうるうるになっていた。私はこんどはディープなキスをゆっくりとヒロにしていった。
そしてヒロのパンツを脱がせると、キンキンに硬くなったヒロのモノが跳ねるようにぴょこんと飛び出してきた。

私「元気だね、昨日出したばかりじゃなかったのか?」
ヒロ「そうだけど、でも、リアルなエッチは別腹、いくらマスターベーションしてもエッチはしたいよ。」
私「昨日は何回シコって出したんだよ?」
ヒロ「へへへ、昨日は1回じゃ足りなくて、2回しちゃった。」
私「元気だなあ。」
ヒロ「でもシコるより、聡一とするほうがずっと気持ちいい。」
私「こらっ、オナニーといっしょにするな。」
ヒロ「怒った顔の聡一もソソる。」
私「ばあか。」

そして私たちは、行為に熱中していった。それでもわたしは俊顕くんから教わった技法をちょっとだけ実践してみた。ヒロはいつもよりずっと快楽に溺れていったみたいだった。それは私にも大きな快感をもたらしたのだった。
そして俊顕くんから教わったいちばん大切なこと、つまり行為が終わった後の余韻をゆっくりと楽しんだ。俊顕くんが行ったとおり、これはヒロの最終的な満足度をかなり上げたようだった。

ヒロ「どうしたの、聡一、なんかいつもと違うような気がする・・・」
私「ゆっくりと快感を楽しんだだけだよ。」
ヒロ「でも、俺、なんかすげえ今日は満足しちゃった。」
私「ならよかった。」
ヒロ「聡一、好きだよ。」
私「俺もだよ。」

疲れたのか、ヒロはすぐに眠り始めた。私は布団をヒロにかけてやった。そして私も同じ布団に入って、ヒロの体温を感じながら眠ってしまった。

翌朝、私は8時過ぎに目を覚ました。隣ではヒロが満ち足りたように気持ち良さそうに眠っていた。私は思わずヒロの頭を軽く撫でた。そうすると、ヒロがぱっと目を開いた。

私「ゴメン、起こしちゃったね・・・」
ヒロ「なんか気持ちいい朝だなあ。」
私「どうする、もう少し寝るか?」
ヒロ「それより、お腹すいちゃったよ。」
私「じゃあ、起きようか。」
ヒロ「シャワー浴びてすっきりしたいな。聡一、いっしょにシャワー浴びよう。」
私「いいけど・・・」
ヒロ「おっ、聡一ったらすげえ朝立ち・・・」
私「なんか昨夜ちゃんとしたのに、すごく元気なんだよなあ・・・」
ヒロ「むしろ、前の晩に出したときのほうが、俺は朝立ちがすごいけどね・・・」
私「まあ、トイレに行けば、すぐにおさまるけどね。」

私たちは交代でトイレに行って、その後いっしょに軽くシャワーを浴びた。

サロンに出て行くと、テラスのテーブルで、俊顕くんとジュン、直さんと翼くんが朝のコーヒーを飲んでいた。

私「みんな、早いね。」
ジュン「オレたち、もう朝のランニングもすませてきたよ。」
俊顕くん「ヒロさん、なんか満ち足りたような顔をしてますね。」
ヒロ「えっ、まいったなあ・・・」
俊顕くん「ヒロさんだけじゃなくて、今朝は翼さんも晴れ晴れとした表情だもんな。みなさん、昨夜はお楽しみだったみたいで・・・」
直さん「ひょっとして、俊顕ったら、嫉妬してスネてるとか。」
翼くん「俊顕くんって、もっと怖いキャラかと思ってたら、けっこうカワイイとこあるじゃん。」
ジュン「そうなんだ、俊顕っていつも怖い顔してるから、性格悪いとか誤解されてけっこう損してるんだよね。」
私「性格悪いのは誤解じゃなくて、そのまんまじゃないのか?」
俊顕くん「もう、聡一さんはジュンにはあんなに優しいくせに、俺にはけっこう厳しいんだもんな・・・」
ヒロ「俊顕って、意外にかまってちゃんだったんだね。」
ジュン「会社ではすごく怖いと思われてるのにね。」
直さん「確かに会社経営の後継者だったら、社員に舐められるわけにはいかないもんな。」
俊顕くん「ちゃんと会社での顔と、こうやって聡一さんたちと一緒の時の顔は使い分けてますから、けっこう大変だけど・・・」
直さん「まあ、立場はわかるけど、あんま無理はするなよな。」

その時、お世話係の○○さんがテラスに出てきて言った。

○○さん「朝食の準備がととのいましたが、どちらでお召し上がりになられますか?」
俊顕くん「ここ、テラスで食べるよ、今朝は天気がいいからね。」
○○さん「かしこまりました。さっそくこちらに準備いたします。」
俊顕くん「○○さんひとりじゃ、テラスまで運ぶの大変だから、ジュン、俺といっしょに運んでくれる?」
ジュン「うん、いいよ。」
○○さん「そんな、若旦那様、いいえ失礼しました、俊顕様やお客様に手伝っていただくわけにはいきませんから。」
直さん「みんなで運んでくればいいんじゃないの。」
私「そうだな、若旦那様やジュンだけに運ばせるわけにはいかないだろう。」
俊顕くん「もう、ホント、聡一さんは意地悪だなあ。」
私「事実、若旦那様って呼ばれてるんだろう?」
俊顕くん「俺も社会人になったし、おやじが○○さんに俺のことを若旦那様って呼ぶように言ったんだよね。でも両親がいないところでは、名前で呼んでって、俺はお願いしてるんだけどね・・・」

そして全員が立ち上がって、みんなで朝食をテラスに運んだ。
ゆっくりと朝食を食べて、しばらく休んでから、私たちは別荘に来た目的である、コンサートの練習を始めたのだった。



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