何気ない週末

「6月にまた俊顕君の母上主催のサロンコンサートが開かれることになった。ジュンも俊顕くんも仕事のほうも順調で、コンサートで演奏する余裕ができてきたということなのだろう。
私にもいつものように演奏の依頼がきていた。10分ちょっとの短めのソナタを頼まれたので私は早くから練習に取り掛かっていた。
ジュンは俊顕と二台のピアノのためのけっこうな大曲を演奏することになっていた。俊顕はどうしてもジュンと一緒に弾きたかったのだろう。二台のピアノがそろっているのは俊顕の家しかないので、練習となるとジュンを自然な形で家に呼ぶことができるからだ。そうなるとジュンは俊顕君の家に泊まることが多いので、ヒロはジュンがいないと私と心うえなく一緒にいられると言って喜んでいる。それでなくても、このところ英語での議論の練習を先生を呼んでするとかで、ジュンは俊顕の家に行くことがおおいのだが・・・
ヒロは直さんとモーツアルトの連弾ソナタを演奏することになっていた。直さんはヒロと練習しているといろいろと教えられることが多いと言っている。この二人が練習とはいえあんまり頻繁に会うのは、私としてはヒロの浮気が心配なのだが、まさかそれを言うわけにはいかない。
私の今回のピアノの相手は、いろいろと経緯があった後、けっきょくジュンがすることになっていた。それでヒロがへそを曲げて、直さんと行きがかりで浮気をしないかと、私は少し心配なのだった。浮気といっても私の全く知らない相手とヒロがする分には、我慢できないことはない。それがヒロと直さんが浮気をしたとなると、私は両方に対して嫉妬してしまう。
心配し始めると、ほんとうになんでもないことでも気になってくる。本当は余計な事はなるべく考えないほうがいいのだろう。
GW最初の金曜日も夕方からジュンは俊顕くんの家で、ネイティブの先生を招いての勉強があると言って午後から出かけて行った。
ヒロが夜に来るまで、私は祝日の午後を一人で過ごすことになった。
軽く昼ご飯を食べてから、私は久しぶりに大きな本屋さんに行くことにした。
電車に乗り、途中で地下鉄に乗り換えて、私は神保町に行った。
とりあえず書泉グランデに行って、まずは一回で文芸書の新刊を見ていった。その後上階に上がり、いろんなジャンルの本をゆっくりと見回っていった。
文芸書のコーナーでは、ピアノ調律師の話の本が山と積まれていた。題名からして、ピアノのハンマーのフエルトと、それが叩く鋼鉄の弦をあらわしていて、ちょっとおもしろい。
長く店にいたわりには、文庫を一冊買っただけだった。
書店を出て、ぶらぶら歩きながら適当なカフェを探した。あまり混んでなさそうなカフェに入って、私は買ったばかりの文庫本を読んだ。
ヒロが夜来るので、夕食の準備をしなければならないので、私は来た道を引き返した。
最寄り駅の商店街で買い物をして、マンションに帰ると夕方近くになっていた。
簡単に夕食の準備をした後、私は少しだけヴァイオリンの練習をした。
そして夕食を仕上げて、しばらくするとヒロがやってきた。

ヒロ「ただいま。」
私「おかえり。」
ヒロ「今日、ジュンちゃんは?」
私「俊顕ちに泊まり。」
ヒロ「おおっ、やったあーー」
私「ほらほら、疲れてるだろう、風呂に入りなよ。」
ヒロ「うん、そうする。」
私「下着と寝間着は出しておいてやるから。」

ヒロ「聡一、俺とのエッチ、もう飽きちゃった?」
私「なんだよ、それ。」
ヒロ「だから、聡一は俺とエッチしたくないかって聞いてんの。」
私「そんなわけないじゃん、ヒロとすると気持ちいいし。」
ヒロ「じゃあ、もっとしようよ。」
私「少し我慢した後でするほうが、興奮しないか?」
ヒロ「俺はいつでも興奮するけど・・・」
私「学生のころ、なんとなく毎日オナニーしたくなるんだよね、でも何日か我慢するじゃん、そうすると気持ち良くなかった?」
ヒロ「その気持ちはよくわかるけど、それでもふつうは我慢できないんじゃないかなあ・・・」
私「ヒロだってオナニーくらい、したことあるよね。」
ヒロ「何言ってんの、ふつうは男だったら誰だってするんじゃない。だってしなさいっていうような形状をしてるじゃん。」
私「やっぱ、ヒロもするんだ・・・」
ヒロ「幻滅した?」
私「しない、というか、さらに好きになった。」
ヒロ「俺は、実はけっこう淫乱だったりして・・・」
私「きれいな顔のわりには、そうだよね。」
ヒロ「この後、ゆっくりいいことしようね。」

とはいいつつ、時間も遅かったので、私たちはベッドに入って、ソフトエッチをすることにした。お互いの固くなったものを手で刺激しあうだけでも、私にはじゅうぶんに快感だった。今回は何となくお互いの快感を上り詰めるタイミングが合って、ほぼ同時に頂点を迎えることができた。

私「それにしても、いっぱい出ちゃったね。」
ヒロ「ひとりでするより、はるかに気持ち良かった。しかもほぼ同時にいけたから、満足感も大きいし・・・」
私「うまくいくと、これだけでも気持いいんだなあ。」
ヒロ「なら、もう一回する?」
私「元気だな、でも後始末をしたら、もう寝よう、疲れてるだろう?」
ヒロ「まあね、気持ちよく眠れそうだけど・・・」

私はティッシュで大量にまき散らかされた白い粘液をふき取った。そして大量のティッシュを、匂うといけないのでビニールの袋に入れて、キッチンのふたのあるごみ箱に入れに行った。
ベッドに戻ってくると、ヒロはパンツも穿かずに下半身裸のままで気持ちよさそうに眠っていた。パンツを穿かせてやろうかとも思ったのだが、せっかく眠っているのを起こすといけないと思い、そのままにして私も寝ることにした。
そして翌朝早く、私はぬくぬくと温かい空間の中で、やたらと気持ちのいい気分で目を覚ました。
ヒロ「なんだ、聡一、起きちゃったんだ・・・」
私「何時?」
ヒロ「7時前だよ。」
私「げっ、ヒロ、なに触ってんだよ。」
ヒロ「何って、俺の一番好きなモノ。」
私「朝っぱらから、ったく・・・」
ヒロ「こんなに固くなってる癖に・・・」
私「男だったら朝は自然にこうなるだろう・・・」
ヒロ「確かに俺のもビンビンだけど・・・」
私「ほら、手を離せって。ちょっとトイレに行ってくる。」
ヒロ「つまんねえの・・・」
私「ヒロもトイレに行っておいで。」
ヒロ「めんどくさい。それにそれほどしたくないし。」

私はとりあえずトイレに行って、苦労して膀胱の中のものを出した。ベッドに戻るとヒロは眠ってしまっていた。
ヒロのかわいい寝顔を眺めながら私も休日の二度寝を楽しむことにした。
次に起きると、隣で寝ているはずのヒロがいなくなっていた。
キッチンのほうから音がして、コーヒーのいい匂いがかすかに流れてきていた。
私は起き上がると、寝間着のままキッチンに行った。キッチンでは、ヒロがこれ以上ないさわやかな顔で朝食の準備をしていた。
ヒロ「あっ、聡一、起きちゃったんだ。」
私「おはよう。なんかコーヒーのいい匂いがして目が覚めた。」
ヒロ「朝ごはん、作ってるよ。ちょっと硬くなったバゲットがあったから、パンペルデュにした。後はいろいろ入りサラダね。」
私「ちょっと軽くシャワー浴びて目を覚ましてくる。」
私はシャワーを浴びて、眠っている体を目覚めさせた。キッチンに行くと、ヒロはベランダに朝食を持っていき、外のテーブルに並べていた。
ヒロ「今日はいい気温んだから、外で食べたいなと思って。」
私「そうだね、もう少しすると暑くなるもんな。」
ヒロ「いいなあ、ジュンちゃんがいないと聡一を独り占めできる。」
私「そんなこと言って・・・」
ヒロ「ジュンちゃんって、あんなかわいい顔して、聡一の気を引こうといろいろと裏で工作してからね。」
私「それはないだろう。」
ヒロ「聡一はジュンちゃんに甘々だから、ほんとの姿が見えなくなってるんだよ。」
私「そうかなあ、でもそれなら、ヒロのこともジュンと同じようにほんとの姿が見えてないかも・・・」
ヒロ「うわあ、それって俺のことがすげえ好きってことだよね。」
私「そうなるのかなあ・・・」
ヒロ「まあいいや、とりあえず聡一も俺のことを好きみたいだから。」
私「こらこら、自分に都合がいいように解釈したな、まあ、いいけど・・・」
ヒロ「俺たちは相思相愛のラブラブカップルだけど、俊顕くんとジュンちゃんは、俊顕くんの永遠の片思いなんだろうな・・・」
私「まあ、俊顕がジュンを愛しちゃってるほどは、ジュンは俊顕のことを愛しちゃいないよね。まあジュンは友達以上の気持ちを多少は俊顕に対してもってるけど、それ以上はね。」
ヒロ「ジュンちゃん、俊顕くんちに泊まって、襲われたりしないのかな・・・」
私「俊顕はバリバリの受けだからね、それは大丈夫みたいだよ。」
ヒロ「あの上から目線バリバリの俺様男の俊顕くんが受けとはねえ、信じられない、どんな顔して男に抱かれてるんだろう・・・」
私「まあ、俊顕はジュンの前では、紳士面していい子ぶってるからね。無理やりジュンに体の関係を迫るようなことはないよ・・・」
ヒロ「ゲイのノンケへの片思いは辛いねえ、なんか俊顕にちょっと同情しちゃうよ。」
朝ごはんをゆっくりと食べた後、ヒロは急な仕事があると言って出かけてしまった。一人でヴァイオリンの練習をしていると、ジュンから電話がかかってきた。
ちょうどジュンは俊顕君の家をでるところらしい。わたしはジュンと昼は外食をすることにして、大きな駅で待ち合わせることにした。
ちょっとだけオシャレっぽい外出着に着替えて、さらにコンタクトを入れて私は繁華街に出かけた。
待ち合わせ場所に行くと、すでにジュンは着いていた。
私「早かったな。」
ジュン「俊顕が山手線の駅まで車で送ってくれたから。」
私「そうなんだ、そんで俊顕は?」
ジュン「なんかフィアンセのお買い物に付き合うみたいだよ。」
私「へえ、俊顕のやつも、ちゃんとやるべきことはやってるんだ。」
ジュン「ふたりでいるときは、けっこういい感じだよ。」
私「ジュンはひ○さんに付き合わなくていいのか?」
ジュン「ああ、GWの前半は両親と那須にいってるよ、親孝行しなきゃって言ってたから。」
私「まあ、後半はジュンたちは俊顕カップルと、ダブル新婚旅行予行演習だもんな。」
GWの後半は、ジュンと俊顕くんはいっしょにフィアンセを伴って4人でアメリカに行くことになっていた。ジュンの留学の下見と、ダブル新婚旅行の予行演習ということらしい。
ジュン「とうさんもいっしょに行けばいいのに・・・」
私「まあ、二組のアツアツカップルの邪魔はしたくないからね。」
ジュン「別にほんとの新婚旅行じゃないんだから、今回は結婚前だしけじめってことで向こうのホテルの部屋も男女別にするわけだから、とうさんは俺たちの部屋で寝れば問題ないじゃん。」
今回もまた俊顕くんはうまく下工作をして、ジュンとホテルでは同室に泊まるように画策したようだった。
私「まあ、今回は、とうさんはヒロと国内で小旅行するさ。」
ジュン「なんかヒロちゃんにとうさんを取られそう・・・」
私「ばあか、ジュンはいつになってもとうさんの大切な息子だろうが。」
ジュン「ならいいけどさ・・・」
私たちは大きなブラっスリーに行って休日ランチを食べた。
ジュン「とうさん、午後はヒマ?」
私「ああ、特に予定はない。」
ジュン「じゃあ、デートしよう、デート。」
私「いいけど、何する?」
ジュン「なんでもいい、とうさんのしたいことでいい。」
私「じゃあ、ちょっと行きたいカフェがあるから行ってみよう。」
ジュン「うん、行く行く。」
私たちはあまり普段はいかない下町方面に地下鉄で行った。ぶらぶらと適当に散歩しながら、目的のカフェに行くと、待っている人たちの列ができていた。列の整理をしている人に聞くと20分くらいだというので、列の後ろに並ぶことにした。
ジュン「人気のカフェの列に並んで待つなんてなんかデートっぽい。」
私「完全にゲイカップルだと思われてるぞ。」
ジュン「とうさん、けっこうカッコいいもんね。」
私「ばあか、ジュンがイケすぎてるからだよ。」
ジュン「でもゲイカップルに見られてるとしたらちょっとうれしいなあ。」
私「なんでだよ。」
ジュン「だって、直さんと翼兄ちゃんとか、俊顕と彼氏とか、みんなすげえカッコいいカップルじゃん。」
私「なに、ジュン、俊顕が浮気してるところを見たのか?」
ジュン「俊顕が彼氏といるのって、フィアンセから見ると浮気になるのかなあ?」
私「う~ん、どうかな・・・」
ジュン「俊顕はフィアンセには絶対に気づかれないように注意してるけどね。まあおおらかな人だから、あまり気づかないみたいだけど・・・」
私「まあ、どっちにしろ隠し通せるのなら、いいけどね。」
中に入ってコーヒーを買っても、今度は店内が込み合っていて、すぐには座れなかった。ちょっと待って席に座ることができた。
私「アメリカっぽいインテリアだよね。」
ジュン「ちょっと倉庫みたいな感じだよね。」
私「まあ、ジュンは3日後にはアメリカでもっとすごいところに行けるかもね。」
ジュン「今回は向こうの学校の下見が目的だから、どうなるかなあ・・・」
私「新婚旅行の予行演習でもあるんだろう?」
ジュン「まあ、そうなんだけどね、どこに行けるかわかんないよ。」
コーヒーを飲んだ後、私たちは途中で見つけた食品店で袋入りの麩を買った。そして都立の庭園に行き、池の鯉に麩を投げ与えた。
ジュン「すんげえ、鯉ってがっついてるんだね。」
私「ほかの人からも餌をもらってるはずなのにね。」
ジュン「鯉の餌やりって、楽しいね。」
私「麩、買ってきてよかったね。」
私たちはぶらぶらと池の周りを散歩した。池のほとりにベンチがあったので、少し休むことにした。
ジュン「とうさん、オレさ、来年の9月くらいに結婚したいと思ってるんだけど、許してくれる?」
私「えっ、そうなのか、来年の9月か・・・」
ジュン「とうさんがいやだったら、もっと延ばすけど・・・ それに住むところを探さなきゃならなし、あくまでも予定だけどね。」
私「いやなわけないよ、ちょっと驚いただけだ。とうさんはジュンが幸せになることだったら、なんでも賛成だ。」
ジュン「ああ、よかった、とうさん、ありがとう。」
私「そうか、とうとう、ジュンが結婚か・・・」
ジュン「それから、俊顕たちと一緒に結婚式しようって計画もあるんだけど・・・」
私「俊顕んちとは、ちょっと格式が違うからなあ・・・」
ジュン「ああ、言い忘れた、結婚式は俊顕カップルとは別々にして、披露宴だけ合同で立食パーティ形式でやるのはどう?」
私「そういうことか・・・ ジュンたちのやりたいようにするといいよ、とうさんはそれに合わせる。」
ジュン「それからとうさんにはパーティーでフランクのソナタを弾いてもらうからね。」
私「ピアノはヒロでいいのか?」
ジュン「ダメ、オレがぜったいに弾く。」
私「普通、披露宴で新郎は演奏をされるほうだろうが。」
ジュン「普通はそうなんだけど、オレたちの場合は、オレと俊顕の連弾もやるつもりだからね。」
私「そうか、新郎がふたりでそれぞれの花嫁さんや家族にピアノ演奏のプレゼントってことならありかもね。」
ジュン「ヒロちゃんにはしょうがないからそのあとソロで演奏させてあげるからね。」
私「はいはい、ジュンがヒロに披露パーティーでぜひ演奏をしてほしいって言ってたって伝えるよ。」
ジュン「それでいいよ、ヒロちゃんってけっこう単純だから、そう言ったら喜ぶんじゃない。」

私たちは庭園をゆっくりと散歩した後、その日はそれで終わりにして帰ることにした。
マンションに戻る前に商店街に行き、夕食の買い物をした。
そしてジュンといっしょに夕食を作って、食べた。
何気ないけど、けっこう楽しい一日だった。

theme : 男同士の恋愛
genre : 恋愛

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