ジュンと俊顕くんの旅行

夏休み最後の週末にジュンが私に話してくれた、俊顕くんとの独身最後の北海道旅行の話である。

私「それにしても、独身最後の男同士の旅行なんてどうせ俊顕の思い付きなんだろう?」
ジュン「まあね、話を主導したのは俊顕だけど、ひ〇さんや俊顕の婚約者の京〇さんもすげえ乗り気だったから、一挙に具体化した。」
私「そんで、この前、中部空港から飛び立ってからは?」
ジュン「千歳に着いたら、羽田から来た三人はすでに到着してたんで、合流してとりあえずカフェでその後の打ち合わせをしたんだ。」
私「打ち合わせったって、すぐに男同士、女同士に別れるんだろう?」
ジュン「そうだけど、二手に分かれた後、夜にはお互いの宿泊地に着いたことを報告するとか、最後の日には夕食までに札幌に戻ってくるとか、そういう打ち合わせ。」
私「行先とか決めてたのか?」
ジュン「ひ〇さんたちは、さすがに若い女性二人だから、泊まるホテルはちゃんと予約してたみたい。オレと俊顕は、一泊目は俊顕が予約してたけど、その後は予約とかなしで、行き当たりばったりに、気に入った場所で泊る所を探すことにしてた。まあ、男ふたりなら、いくら北海道とはいえ夏なんだから、一晩くらい車で寝てもだいじょうぶだろうし。」
私「でも、車中泊とかはしなかったんだろう?」
ジュン「夏休みだからけっこうどこもいっぱいだったけど、宿泊代が高いところはけっこう空いてたりしたんだよね。」
私「まあ、だいたい安いところからいっぱいになるみたいだからね。」
ジュン「でも、民宿みたいなところにも一回泊ったよ。当日の午後電話したらキャンセルがあって泊まれたんだけどね。」
私「俊顕なんかはイヤミなくらいお坊ちゃまなんだから、民宿とかとまったことないだろう?」
ジュン「でも、学生の頃はゼミの合宿とか、民宿みたいなところに俊顕もいっしょに泊ってたし。」
私「そんで空港のカフェで打ち合わせた後は?」
ジュン「レンタカー屋さんのバスでレンタカーの駐車場まで移動したんだ。そこに俊顕が予約しておいてくれた車が二台泊まってたってわけ。」
私「俊顕のことだから、外車のレンタカーとかどうせ予約してたんだろう?」
ジュン「そんなことないよ、一台はフォ〇スターとかいう悪路も走れるっていう車で、もう一台はおしゃれな感じの色のオープンカーだったよ。」
私「それだと、女性二人がオープンカーで、ジュンと俊顕がクロカンというわけか。」
ジュン「それは、ひ〇さんと俊顕の両方の性格を考えてよ、ひ〇さんは性格がイケメンだし、俊顕は見かけに反して実は乙女じゃん。」
私「じゃあ、ひ〇さんたちがクロカンで、ジュンたちがオープンカーだったんだ。」
ジュン「女性二人でオープンカーだと目立ちすぎていけないってこともあったみたい。」
私「じゃあ、ジュンと俊顕がスポーツカーじゃ目立っただろう。」
ジュン「でも俊顕ってあの外見だから、すげえオープンカーが似合ってて、カッコよかったよ。」
私「そんで、そこで二台の車に別れて出発したんだ。で、ジュンたちはどこに向かったんだよ?」
ジュン「実は最初の一泊は俊顕がすでに予約してあったからそこに向かって行った。曇りだったけど雨はあまり降ってこなかったんで、けっこうオープンカーって気持ちよかったよ。」
私「俊顕のやつのうれしそうな顔が思い浮かぶよ、そんで一泊目を予約してたってことは泊りたいとこでもあったのか?」
ジュン「泊まりたいっていうより、そこで俊顕は乗馬をしたかったみたい。」
私「ああ、お坊ちゃまはやることが違う。」
ジュン「そんで、千歳を出て、北海道らしい平原や、荒涼とした海沿い道路を走って、その日の宿泊先まで行ったんだ。」
私「どんなとこだった?」
ジュン「普通のホテルだったし、泊まってる人たちも普通。でも広々とした敷地があって、厩舎が敷地内にあるんだよ。」
私「そんで乗馬したのか?」
ジュン「うん、中級者向けコースで、オレが参加するにはホントは乗馬経験が足りないんだけど、あまり初級者コースだと俊顕がものたりないだろうから、オレは経験をちょっと盛って申告して参加した。朝ご飯食べた後、9時前に出発して、お昼までの3時間、北海道らしい自然をホント満喫できた。マジで気持ちよくて、3時間があっという間だった。」
私「北海道で乗馬か、気持ちいいだろうな。それから?」
ジュン「乗馬を終えて、ホテルで昼を食べて、知床に行こうということで、海辺の民宿に電話したら、たまたまキャンセルがあって泊まれるということで、6時間ドライブして行ったんだ。」
私「オープンカーで北海道のドライブなんて、すごく良さそうだな。」
ジュン「うん、でもさその日は雨が時々降ってたから、オープンではあんまり走れなかったんだ。でもすげえいい景色ばっかりで、あちこちで止まっていい景色を見ながら行ったから、予約した民宿に着いたのは7時過ぎだったけど、まだ暗くなる前で少しは明るい時間だったんだよね。」
私「それで?」
ジュン「すぐに夕食になって、すげえカニとか魚とか食べきれないくらいだった。。」
私「それで部屋は?」
ジュン「民宿だから和室で、そこに自分たちで布団を敷いて寝たよ。風呂は共用だったけど、トイレは部屋に付いてた。」
私「まあ、ふつうの民宿って感じだね。」
ジュン「なんか、朝起きて外を見て景色にびっくりした。ちょっとかすんだ荒涼とした海が広がってんだよ。でもなんか雨が降りそうな感じでちょっと残念な天気だった。」
私「オープンカーなのに残念だな。」
ジュン「ところが知床峠に上ると雲の上に出たのか、雲の向こうに国後島の山並みがちょっと見えた。」
私「雲の上に出たんだね。」
ジュン「でも、また反対側の海沿いに出るとそっちは晴れてた。でも、海沿いの荒涼とした原野と海に挟まれたルートは北海道らしくてよかったよ。」
私「それで俊顕と最後の泊りはどこだったんだ?」
ジュン「知床を見たりして、少しずつ西に移動して、けっきょく富良野の近くに泊まった。最後は俊顕の希望でホテルに泊まったよ。」
私「富良野のホテルか、眺めいいんだろうな。」
ジュン「着いた日は暗くなってたんで景色は見えなかったけど、泊った翌日は、遠くの山とか見えてすげえよかった。」
私「そんで、旅行中3泊して、俊顕の迫られたりしなかったのか?」
ジュン「なんか俊顕がやりたくてしょうがないのを必死でガマンしてるのがありありとわかっちゃってさ、まあ独身最後だし、少しだったらいいかと思って、最後のホテルに泊まった時に、さりげなく俊顕を誘ってあげたんだ。」
私「そうしたら?」
ジュン「俊顕ったら、けっこうスイートみたいないい部屋をとったんだもん、まあ雰囲気としては悪くないよね。だんだん暗くなってく外の景色を見ながら、とうとう俊顕がオレにキスしてきたから、気持ちよさそうにしてあげたんだ、まあ事実俊顕のキスはすげえ気持ちよかったんだけどね。」
私「そんで最後までやったのか?」
ジュン「まさか、そこまでは俊顕も望んでなかったみたい、とうさんとしてるみたいな、お互いを刺激しあうような感じだよ。それでも利彰はけっこう満足そうな顔してたし、オレもけっこう気持ちよかったし・・・」
私「まあ、そのくらいで終わってよかったよ・・・ そんで、最後の日は?」
ジュン「ゆっくりホテルの朝のビュッフェを食べて、その後美瑛を観光した。有名な写真家のギャラリーとか、きれいな防風林を見たりしてから、札幌まで最後のドライブをして、レンタカーを返した。そんでその後、ひ〇さんたちと待ち合わせて、札幌で晩御飯を食べてから、電車で千歳まで行って、飛行機に乗って帰ってきた。」
私「いい旅行ができたみたいだな。そんでお金は足りたのか?」
ジュン「最後のホテル以外は、超高級ってわけじゃないし、まして2泊目は民宿だったから、それほどお金かからなかったし。」
私「ならば、よかった。いい思い出になったな。」
ジュン「うん、俊顕と最後に気ままな旅行ができてすげえよかった。」
私「あとは結婚だね・・・」
ジュン「うん、オレ、ホントに結婚するんだね、なんかふわふわしたような気持ちなんだけど・・・」
私「結婚したら、まずとうさんよりひ〇さんのほうをどんなことでも優先して考えるんだぞ。」
ジュン「最近、とうさん、そればっか。オレはひ〇さんもとうさんも両方を大事にするつもりだけどね。」
私「まあ、とうさんが言いたいことは、ジュンが幸せになってほしいってこと、それだけ。」
ジュン「だいじょうぶだって、でもとうさんありがと。」

ジュンの結婚まであとわずかになってしまった。わたしの中では、ジュンとずっとこのままふたりで仲良く暮らしたいという気持ちと、ジュンのためには結婚するのがいちばんいいという気持ちの二つの相反するものが戦っていた。

theme : 男同士の恋愛
genre : 恋愛

tag : ゲイの父親

プロフィール

悩む父親

Author:悩む父親
FC2ブログへようこそ!

最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カレンダー
08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
FC2カウンター
カテゴリー
メールフォーム
何でもけっこうですので、メールをくださると嬉しいです。

名前:
メール:
件名:
本文:

最近のトラックバック
ブログ内検索
リンク
QRコード
QRコード