雪の日の翌日

雪の日にヒロが泊まりにきた翌朝、まだ眠っているヒロとジュンを残して私は仕事に出かけた。まあ最近はふたりともけっこう仲良くなっているので、私がいなくなってもなんとかうまくやるだろう。私は安心してその日は仕事をして、夕方マンションに帰った。ジュンはすでに大学から戻ってきていた。
私「もう帰ってたんだ。」
ジュン「まだ試験の準備もあるし・・・」
私「今日はとうさんが晩メシのおかず買ってきてるから、準備はいいから、ジュンは勉強してろ。」
ジュン「いいよ、今さら詰め込んでも遅いし・・・ それより、ご飯作ってるのってけっこう気分転換になる。」
私「じゃあ、ジュンは味噌汁作ってくれるか?」
ジュン「いいよ、そうだ、なんかヒロちゃん、今夜も家に来るって言ってたよ。」
私「そうなんだ、じゃあ三人前ご飯も炊かなきゃね。」
ジュン「おかずはだいじょうぶ?」
私「多めに買ってきたからだいじょうぶだろう。今日の朝はヒロとふたりでだいじょうぶだった?」
ジュン「目が覚めたら、ヒロちゃんの顔が直ぐ目の前にあったんでちょっとびっくりした。でもヒロちゃんって寝てる時って、けっこう可愛かった・・・」
私「まあ寝てる時は無防備だからね。」
ジュン「それからその後ヒロちゃん、朝飯準備してくれたんだよ。」
私「それはよかった・・・」
ジュン「なんかオレに取り入ろうと一生懸命にしてるんだよね、なんかヒロちゃんってけっこうけなげなところもあるじゃん。まあ朝飯はとうさんの作ってくれるほうがずっとおいしいんだけどね・・・」
私「そんで朝飯食べながらなに話したんだよ?」
ジュン「ヒロちゃんったら年上ぶって、いろいろオレにアドバイスとかするんだけど、なにげにハズしてるんだよね・・・」
私「まあだんだんとそんなところもうまくいくようになるよ。」
ジュン「でも、オレはヒロちゃん、嫌いじゃないよ、必死でとうさんのかわりをやろうとしてくれてるみたいだった・・・」
私「まあヒロにはあんまり無理するなって言っとくよ。まあジュンに気を使ってくれているのはうれしいけどね・・・」
ジュン「オレもヒロちゃんはふつうにしてればいいと思う。」
私「でもジュンとヒロがうまくやってくれそうなんで安心したよ。」
ジュン「お腹へったね、ヒロちゃん、まだ帰ってこないのかなあ・・・」
私「ちょっと電話してみるよ。」
電話をしてみると、まだ仕事中なのか、留守電だったので、折り返し電話をくれるように伝言しておいた。しばらくするとヒロから電話がかかってきた。
私「ヒロ、まだ仕事だったのか?」
ヒロ「もう終わった、これからそっちに行くよ。」
私「晩メシはウチで食べるだろう?」
ヒロ「いいの?」
私「もちろんいいよ。」
ヒロ「でも、俺がそっちに着くのはまだ一時間くらい後だから、お腹へってたら先に食べてていいよ。」
私「いいよ、一時間くらい待ってるよ。」
ヒロ「ジュンちゃんはだいじょうぶ?」
私「なんかつまみながらジュンとビールでも飲んでれば、一時間くらいすぐだよ。」
ヒロ「じゃあ、急いで行くね。」
チーズをツマミにジュンとビールを飲んでいると、ヒロが戻ってきた。
ヒロ「ゴメン、待たせたね。」
私「じゃあ、ヒロもビール飲む?」
ヒロ「じゃあ一杯だけもらおうかな・・・」
ジュン「はい、ヒロちゃん、ビール。」
ヒロ「おっ、ジュンちゃん、気が利くじゃん。」
ジュン「だっておかあさんが仕事で疲れて帰ってきたんだから、このくらいは・・・」
ヒロ「だれがおあかさんだって?」
ジュン「ヒロちゃんに決まってるじゃん。」
ヒロ「俺は男だぞ。」
ジュン「確かにヒロちゃんは見かけは男だけど、とうさんの奥さんでしょ、それならオレのおかあさんじゃん、継母だけど・・・」
ヒロ「俺は聡一のハニーだけど、奥さんじゃねえぞ・・・」
ジュン「じゃあなに?」
ヒロ「そうだなあ、ジュンちゃんの兄貴・・・」
ジュン「なんか頼りない感じ・・・」
ヒロ「うるせえ、これでもやるときはやるんだぞ・・・」
私「この三人がもう家族なのは確かだけど、みんな男なんだから、多少普通とは違うけどね。でもちゃんと信頼しあってれば、家族として成り立つんじゃないのかな・・・」
ヒロ「聡一、なんか俺うれしい・・・」
ジュン「ヒロちゃん、家族ならもっとおかず作るの上手になってね。」
ヒロ「はいはい、お稽古いたします。」
ジュン「よしよし、ヒロちゃん早くいい奥さんになるんだよ。」
ヒロ「ったく、すぐそれだ。」
私「ヒロ、今夜も泊まってく?」
ヒロ「いいの、泊まっても?」
私「ジュン、ちょっとベッドが狭くなるけど、いいか?」
ジュン「オレはべつにいいけど・・・」
私「どうした、ジュン。」
ジュン「オレはいいけど、とうさんとヒロちゃんは二人だけのほうがいいんじゃないかと思って・・・」
私「なにを気にしてるんだ、ジュン、とうさんたち、いつもしてるわけじゃないからね・・・」
ヒロ「わわわ、聡一、ジュンちゃんの前でそんなこと言うなよ・・・」
ジュン「ヒロちゃん、赤くなってる、純情・・・」
ヒロ「ばあか、この話は終わり。」
ジュン「言っとくけど、オレはもう子供じゃないからな。」
ヒロ「ひよっこが口だけは一人前なんだから・・・」
ジュン「年上ぶってやがんの・・・」
夕食が終わって、ヒロはピアノの練習を少ししたり、ジュンは机に向かって勉強を始めた。私はピアノの脇のソファに座って、ヒロの練習を聞きながら読書をした。
ヒロ「そういえば、聡一ヴァイオリンの練習進んでる?」
私「いちおう月一で斉*先生のところにいって、見てもらってるからね。」
ヒロ「今、やってるの?」
私「なんとフランクのヴァイオリン・ソナタ。」
ヒロ「そうなんだ、難しい?」
私「けっこう大変だよね、でも斉*先生の指導は合理的だから、まあまあ進んでる。」
ヒロ「じゃあ、俺もちょっと練習しておくから、こんどいっしょに弾こうよ。」
私「いいのか? プロのピアニストの伴奏はうれしいけど、なんか恐れ多くて・・・」
ヒロ「俺だってたまには聡一のためにピアノを弾きたいの。」
私「じゃあ、今はジュンに伴奏してもらってるから、もう少し練習が進んだら、お願いしようかな。」
ヒロ「なんだ、もうジュンちゃんとは練習してるんじゃないか、ずるい・・・」
私「じゃあ、こんどの斉*先生のレッスンが終わったら、一楽章だけでもあわせてみようか。」
ヒロ「俺もピアノパートさらっとくね。」
そして寝る前に交代で風呂に入ってから、私たちは三人でベッドに横になった。そして私はヒロとジュンと平等におやすみのキスをした。どちらに先にキスするかちょっと悩んだけけれど、けっきょくジュンに先にキスをして、その後ヒロにキスをした。ふたりとも不満そうな顔をしなかったので、この順番で良かったのだろう。両側からふたりが私のからだにくっついていたので、私はその体温でとても暖かかった。そしてジュンの寝息が聞こえ始め、しばらくするとヒロも眠ってしまったようだった。私はもう一度眠っているふたりに軽くキスをした。そして私もだんだんと眠りに引きこまれていった。

theme : 男同士の恋愛
genre : 恋愛

tag : ゲイの父親

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