GWはヒロといっしょに-2

ヒロが部屋を出た後、私は部屋のベランダで景色を眺めながら荷物が届くのを待っていた。しばらくして荷物が届いたので、私はスーツケースを開けた。そして中からジュンが選んでくれた短パンを出して、着替えをした。
その後部屋を出て、カラカウワ通りに行き、ワイキキ海岸の方向にゆっくりと歩き始めた。人通りの多い歩道を、ときどきハワイっぽいものを売る店を冷やかしながら歩いていった。

5分ほど歩いたところで、突然右側に、椰子の木の向こうに輝くような海が見えてきた。びっくりするほど碧い海の上には抜けるような青空がどこまでも広がっていた。私はしばし歩くこともできずに呆然と立ち尽くしていた。

waikiki.jpg
この明るい風景を見ると、さまざまな人たちがハワイに遊びに来たがる理由がわかったような気がした。私は手近な椰子の木の木陰に腰をおろして、しばらく海をぼんやりと眺めていた。

海をじゅうぶん眺めた後、私はとりあえず海の水に触れてみようと思い、裸足になって波打ち際に行ってみた。打ち寄せる波に足を濡らしながら、波打ち際を歩いて進んでいった。

しばらく歩いて行くと海に突き出した突堤にぶつかったので、そこに上がって突堤の先端まで行ってみた。ロコなのか観光客なのかわからないけれど、突堤から次々と若者が海に大きなしぶきを上げて飛び込んでいた。海がきれいなので、飛び込んだら気持ちよさそうな感じだった。

突堤を陸のほうに戻り、また海沿いの歩道を私はブラブラと歩き続けた。しばらくして気づくと、左側にダイアモンドヘッドが見えていた。海のほうを見ると、砂浜にいる人たちの中に、何組かの男同士のカップルがいるのに気づいた。とくにゲイビーチではなさそうで、ふつうのカップルや家族連れに混じっているのが、開放的なワイキキビーチらしいのかもしれない。水着姿で砂浜にすわっていた印象的な男二人のカップルがいたので、ゲイなのかなとさりげなく見ていると、片方の男と目が合ってしまった。

男性「やあ。」
私「こんにちわ・・・」
男性「英語話せる?」
私「少しなら・・・」
男性「どこから来たの?」
私「ええと、日本から来ました。」
男性「そうなんだ、俺たちも日本には行ったことあるんだ。東京から?」
私「東京の西のほうから。」
男性「俺たちの写真とってくれない? 日本人はカメラには慣れるからね、うまく撮ってもらえそうだから。」
私「いいですよ。」

私はデジカメを受け取り、仲良さそうな二人の姿を何枚か写した。

私「こんな絵でいい?」
男性「やっぱうまいね、エドが本物より良く写ってる。」

カップルのもう一方はエドというらしい。金髪の美しい青年なので、どう写しても悪くなりようがないと私は思った。

エド「じゃあ、また会えるといいね。」
私「うん、そうだね、じゃあ、さよなら。」

私は彼らと別れて、海沿いの道をもと来たほうに戻った。ホテルの近くに戻ってきたのだが、まだまだヒロが戻ってくるまでには時間があったので、旅行会社でもらった、ワイキキトロリー乗り放題チケットを使って、トロリーで一回りしてみることにした。

ワイキキトロリーは、車両自体が開放的なつくりで、前面以外は窓ガラスがはまっていない。私はハワイの風を受けながら、ホノルルの町をゆっくりと眺めながら移動をした。

夕方ホテルに戻って、ベランダの椅子に座って、コンビニで買ってきたビールを飲みながら、景色を眺めていた。しばらくするとヒロが帰ってきた。

私「お帰り、ヒロ。」
ヒロ「聡一、いつホテルに戻ってたの?」
私「20分くらい前だよ。ヒロのほうの打ち合わせは上手く行った?」
ヒロ「まあ、上手く行ったほうかな、すぐにっていう話ではないんだけどね、近いうちに集中もレッスンの時にでも呼んでもらえるといいんだけどね。」
私「そうだ、晩御飯の前にビーチに行って夕日を見よう。」
ヒロ「見たい見たい。」
私「それじゃあ、すぐに出なきゃ、日が沈んでしまう。」

私たちは急いで部屋を出て、下におりた。そしてホテルとホテルの間の路地を海のほうに進んでいった。路地を抜けると、砂浜に出た。そこにはたくさんの人が西の方向に向いて立っていた。
私たちも、見晴らしのいいところに歩いていって、堤防の上に座って西の空を眺めた。水平線の上には少し雲があって、ちょうどその雲の上はしに太陽が沈もうとしていた。

ヒロ「やっぱ無理にでも聡一をハワイに誘ってよかった・・・」
私「きれいな夕日だね。」
ヒロ「聡一、手をつないでよ。」
私「いいよ・・・」

私はまわりから見えないように、さりげなくヒロの手の上に置いて、かるく握った。

ヒロ「聡一、手があったかい・・・」
私「ヒロの手はやわらかい・・・」
ヒロ「もうすぐ沈んじゃうね。」
私「でも、ヒロとこうやって夕日を眺めることができてよかった。」
ヒロ「きれいだったね・・・」
私「ヒロ、好きだよ・・・」
ヒロ「俺も・・・」

まさかこんな人のいるところでヒロにキスをするわけにもいかない。私たちは暗くなり始めた砂浜を出て、夕食を食べられるレストランを探した。

ヒロ「ちょっと行ってみたいレストランがあるんだけど・・・」
私「どこに?」
ヒロ「この近くのはずなんだけど・・・」
私「じゃあ、行ってみようよ。」

私たちは少し迷いながら夜の通りを歩いて、ヒロの行きたがっていたレストランを探した。まもなくそのレストランは見つかった。通りに面してテラス席のある大きなレストランのようだった。テラスに入ると、ギャルソンに入り口の受付に行って、とりあえず空きを確認するように言われた。レストランの中に入ろうとすると、テラスの席から私を呼ぶ声がした。

エド「ヘイ、そこの日本人。」

声のするほうをみると、さっきビーチで会ったふたりがテラスの奥まった席に座っていた。

エド「また会えたね。俺はエド、そんでこいつはダン。」
ダン「また会えると思ってたよ。俺たちはカナダから来たんだ。そんでそっちの名前は?」
私「わたしはソウイチ。」
エド「ええと、ソウチでいいんだっけ。日本人の名前は難しいから・・・」
ダン「俺はダニエルだけど、ダンって呼ばれてる。そうすると、ええと・・・」
私「じゃあ、ソウでいいよ。」
エド「ソウなら簡単だ。」
ダン「それから、君の名前は?」
ヒロ「ヒロです、よろしく。」
ダン「ヒロだね。こちらこそよろしく。よかったら、俺たちといっしょに食べない?」
エド「このテーブルは4人用の席だから、いっしょに食べられるとうれしいなあ。」
私「ヒロ、どうする?」
ヒロ「彼らはどういう知り合い?」
私「今日、ビーチで出会ったんだけど。」
ヒロ「まあ、予約してなかったから空いた席なさそうだし、それならここで食べられたらちょうどいいかも。」
私「じゃあ、じゃまじゃなかったら・・・」
ダン「じゃあ、決まりだね。」

ダンがギャルソンを呼んで、私たちが同席できるようにテーブルセッティングを頼んでくれた。

ダン「俺たちはアペリティフを飲んでたんだけど、君たちは?」
ソウ「何を飲んでた?」
ダン「俺はパスティス、エドはキール。」
エド「ダンはフランスかぶれだからね。」
ダン「しかたねえだろう、先祖はフランスから来たんだから。」
エド「こいつんちでは、家族同士はフランス語でしゃべってるんだよね。」
ヒロ「そういえば、カナダはフランス語を使ってる州があるんでしたよね?」
ダン「ヒロ、でいいんだっけ。ヒロはよく知ってるね。」
ヒロ「とりあえず、俺は大学の教員だから・・・」
エド「パードン、大学の学生?」
ヒロ「大学の教員だって・・・」
エド「ヒュ~、ヒロはへたすると高校生じゃないかと思ったんだけど・・・」
ダン「日本人は若く見える・・・」
エド「ソウはひょっとしてヴァイオリニスト?」
私「まさか、俺は普通の勤め人。まあヴァイオリンは弾けるけど・・・」
エド「さっきビーチでカメラを渡すときに、ソウの指を見てそう思ったんだ。俺もヴァイオリン弾くから。」
ダン「エドはアマチュアオーケストラで演奏してる。」
エド「ヒロは?」
ヒロ「俺はピアノなら弾ける。」
エド「じゃあ、カップルでヴァイオリンソナタをできるじゃん。」
私「ちょっと前にフランクのソナタを練習したけどね。」
ダン「そうなんだ、フランクは俺のいちばん好きな曲なんだよね。」
エド「そんで俺も以前に弾いたんだけどね。」
ダン「あの時はエドのヴァイオリンは良かったけど、ピアノのほうがダメだった。」
エド「機会があったら、ヒロ、ピアノ弾いてくれるとうれしい。」
ヒロ「そうだね、機会があったらね。」
エド「ほんとだよ、約束だからね。」

私たちはフレンチを基にしたコースを時間をかけて食べていった。デザートを食べ始めた頃、エドが変なことを言い始めた。

エド「ソウは、俺たちのどっちが好み?」
私「えっ、どっちもカッコいいから答えづらいなあ、答えなきゃなんない?」
エド「俺は、ソウとヒロだったら、ソウのほうが好みなんだけど・・・」
ダン「俺はヒロのほうが好きだな、エドと好みが違ってよかった。」
エド「ヒロは、どっちがいい?」
ヒロ「どっちも好きだけど、俺はどっちかというと年上のほうが好きだから、あえて言うならダンのほうかなあ・・・」
エド「じゃあ、決まりじゃん、ダンはヒロと、俺はソウと。」
ダン「じゃあ、ソウ、今夜はエドを頼むね。」
私「えっ、なに、どういうこと?」
エド「だから、相手を変えてちょっと刺激を受けるんだよ。」
ダン「ときどき違ったやつとエッチすると、刺激になって、エドとのエッチがまた新鮮になる・・・」
エド「同じ奴とばっかりやってると、いくら相性よくても飽きちゃうじゃん、だからときどきいいカップルに出会ったら、相手を替えて楽しむ。」
ヒロ「そういうことね、ダンとエドの申し入れはすげえうれしいけど、俺たちまだ新婚だから、そこまではできないんだ、ゴメンね。」
エド「もう、ヒロはソウを独り占めしたいんだね。」
ダン「ヒロがダメだっていうんだから、そのかわり今夜は俺がかわいがってやるよ・・・」
エド「しょうがないなあ、そろそろ新しい刺激が欲しかったのに・・・」
ダン「じゃあ、いつもと違うことやってやるよ。」
ヒロ「ゴメン、また機会があったら誘って。」
エド「なんか、ソウって純情なんだね、顔が赤くなってるよ。」

とりあえずはなんとか変なことにならなくてすんで、私は少し安心した。デザートの後で、ダンお勧めのマールを飲んで、私たちの夕食は終わった。私たちはレストランを出たところでダンとエドと別れてホテルに戻った。
ヒロ「なんか聡一、酔ったんじゃない?」
私「最後のマールがちょっときいた・・・」
ヒロ「聡一、眠そうだね。」
私「それにしても、今日の一日は長かった。日本で普通に昼間をすごして夜に日本を出たら、いつの間にかその日の朝のハワイに着いてて、昼間を日本とハワイで2回分すごしたわけだもんな。」
ヒロ「俺もけっこう疲れてる・・・」
私「今夜はもう寝よう・・・」
ヒロ「仕方ないから今夜はいいけど、明日の夜は聡一を予約だからな、明日の夜は寝させないからね。」
私「マジ、眠い・・・」
ヒロ「聡一、おやすみ・・・」

その後、時差による寝不足と疲れのせいで、私はすぐに眠ってしまったみたいだった。

theme : 男同士の恋愛
genre : 恋愛

tag : ゲイの父親 ゲイ

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Re: いつも楽しみにしています♪

ヒロとのんびりしてきました。そのかわり夏まではとりあえず仕事を頑張らなければならないです。
ハワイ旅行の3回目をアップしましたので、お読みいただければ幸いです。
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