ヒロとの夏休み

実家で両親にさよならを言って、わたしは義兄の運転する車で新幹線の駅まで送ってもらった。

私「兄貴、ありがとう。またね。」
義兄「今度はジュンちゃんの結婚式の時に会えるね。」
私「そうだね。」
義兄「残念ながら聡一はその頃は忙しそうだから、ふたりきりにはなれそうもないけど・・・」
私「でも、俺は兄貴の顔を見られるだけでもうれしいよ。」
義兄「またそんな殺し文句をサラッと言う。」
私「じゃあ、兄貴、運転気をつけて帰ってね。」

わたしは義兄と別れて新幹線の改札口を入っていった。
お盆のさなかで新幹線は混んでいたが、ひかりに乗ったので私は何とか席を見つけて座った。
夕方新幹線を降りてヒロのマンションに向かった。
ヒロはまだ帰宅してなかった。
わたしはまずはヒロが洗濯機の中に溜めていた下着類の洗濯を始め、その間に軽く掃除をした。
洗濯物を干しているとヒロが帰ってきた。

ヒロ「聡一、お帰り、実家のお父さんたち元気だった?」
私「ふたりとも元気だったよ。ヒロのところは?」
ヒロ「元気は元気だったけど、親父とはあれ以来ぎくしゃくしてるからね。」
私「ゴメン、ヒロ、お父さんに会いにいかない方がよかったね。」
ヒロ「聡一のせいじゃないよ、親父の頭が固すぎるだけ。」
私「ヒロ、実家に帰りにくくなったね。」
ヒロ「前から親父とはそれほど仲良かったわけじゃないし、まあ母親が行ってやらないとさみしがるから、行ってるだけ。」
私「時間があったから、洗濯機の中に溜まってたから洗ったぞ。」
ヒロ「えっ、洗濯してくれたんだ、けっこう汚れてただろう?」
私「べつに普通に汚れてただけだったけど。」
ヒロ「聡一はきちんとしてるから、洗濯する前に汚れ具合を一枚ずつ確かめるだろう?」
私「ああ、汚れのひどいのは手で予洗いしなきゃならないし。」
ヒロ「聡一なら見られてもいいけど、でもハズいというか・・・」
私「今さら何言ってんだか・・・」
ヒロ「そうだ、すぐに出かけないと。」
私「高速混んでるかもな。」
ヒロ「それにしても、俊顕んちはせっかく持ってる別荘を夏休みに使わないなんて・・・」
私「なんか、俊顕んちは軽井沢の別荘を相続したらしくて、最近はそっちを使うみたいだよ。」
ヒロ「まあ、いいや、借りられるんだったらどうでも。」

ヒロの運転する車で、高速に乗って俊顕くんちの別荘を目指した。
夜なのにお盆時期のせいなのか下りもそれなりに混んでいた。
途中で運転を交代して、いつもよりも時間がかかったが、無事別荘に着いた。
わたしたちはとりあえず疲れを取るために風呂に入った。
以前ほどわたしたちはエロいことをしなくなっていたが、さすがに別荘にまで来れば、多少は気分が盛り上がる。

ヒロ「俺は相変わらずこんなに聡一のことが好きなのに、以前ほどエッチしても気持ちよくないんだ・・・」
私「まあ、確かに前はもっと新鮮さを感じてたよね。」
ヒロ「聡一は今でも俺のことが好き?」
私「もちろんだよ。」
ヒロ「そろそろふたりの関係を一段階進めたほうがいいのかなあ?」
私「進めるって?」
ヒロ「今までしてこなかった、俺の後ろを使うとか・・・」
私「べつにゲイカップルが全員そういうセックスをしてるわけじゃないと思うよ。」
ヒロ「俺、後ろ使ったことないから・・・」
私「ムリにすることなんかないよ。」
ヒロ「聡一がそれでいいんだったら、俺もどうしてもしたいわけじゃないし・・・」

その夜は深夜に別荘に着いたので、ヒロも横になるとすぐに眠ってしまった。
わたしもエアコンなしの高原の温度を心地よく思いながら、そのまま眠りの中に引き込まれていった。

翌朝起きると、ヒロはもうベッドにはいなかった。
朝一でヒロがしようと言ってくると思っていたので、ちょっと拍子抜けだ。
それでも、わたしは見事に朝勃ちしていたので、前をモッコリさせたまま、すぐにトイレに行ってちょっと苦労して用をたした。

いちおう着替えをして、リビングに行くと、ちょうどヒロが散歩から戻ってきたところだった。

ヒロ「聡一も起きたんだ。」
私「起こしてくれればよかったのに。」
ヒロ「だってすげえ気持ちよさそうに寝てたから起こさない方がいいかなって思って。」
私「お腹減っただろう、朝ご飯食べよう。といっても、パンとコーヒーくらいしかないけど。」
ヒロ「とりあえずはそれで充分。」

昼間は、ジュンの結婚式でわたしとヒロで弾く予定の、フランクのヴァイオリンソナタをみっちりと練習した。
この曲は四楽章あって、全部弾くと30分ほどかかるが、ジュンの結婚式では、演奏するのは第四楽章だけなので、時間的には5分ちょっとである。
ジュンの結婚式ではヒロのピアノでやるのだが、その一か月後の俊顕くんの結婚式では、同じ曲をジュンのピアノで弾くことになっている。
そしてフランクに飽きてくると、こんどは新しく練習を始めた、ブラームスの一番もサラッと合わせてみたのだった。

そして一日が終わり、わたしたちは寝るためにベッドに入った。
意外にヒロのほうがそれほどエッチをすることにこだわらなくなったみたいで、前よりも短い時間でお互いに果てて終わったのだった。

そして翌日はヒロの練習を聞きながらわたしは本を読んだり、またヴァイオリンソナタの練習をしたりして過ごした。
昼前に別荘を掃除して、片づけをして、わたしたちは高速で東京に戻った。
途中、混雑するSAで軽く昼ご飯を食べたりして、また高速もけっこう混んでいたので、夕方にわたしのマンションに戻ってきたのだった。
ヒロとふたりで夕食を食べながら、軽く飲んでいると、12時頃ジュンが北海道から帰ってきた。

ヒロ「ジュンちゃん、北海道行ってきたんだって?」
ジュン「うん、俊顕と独身最後の男同士の旅行してきた。」
ヒロ「そうなんだ、でも俊顕くんって、バリバリのゲイなんだろう? だいじょうぶだった?」
ジュン「俊顕はああ見えてバリウケだから、オレとどうこうなりようがない。」
ヒロ「あの傲慢俺様キャラの俊顕くんがバリウケとは、詐欺だよね。」
ジュン「俊顕は、ヒロちゃんに負けないくらい乙女なんだから。」
ヒロ「あの性格外見からは信じられねえ・・・」
ジュン「まあ、確かにヒロちゃんだったら、性格は悪いけど外見はきれいだから乙女でもみんな納得するけど、俊顕はギャップが大きすぎるよね。」
ヒロ「ジュンちゃん、さりげなく俺のことディスったな。こうしてやる。」
ジュン「ヒロちゃん、マジで痛いって。」

ヒロはふざけてジュンのこめかみを両側からげんこつでぐりぐりと刺激していた。
なんか仲がいいんだか悪いんだかわからないジュンとヒロだった。
ヒロは翌日仕事があるらしく、マンションに一度帰らないと、ウチからは直接仕事に行くわけにはいかないらしく、深夜にタクシーを呼んで帰っていった。

ジュン「ヒロちゃん、忙しそうだね。」
私「まあ、ヒロに言わせるとお座敷がかかると断れないらしい。」
ジュン「オレ、疲れちゃった。」
私「じゃあ、寝よう。」

わたしたちはベッドに並んで横になった。ジュンがおやすみのキスをせがまれたので、わたしは軽くジュンにキスをした。
それだけで眠かったジュンは満足したらしく、すぐに軽い寝息をたて始めた。

そしてジュンの北海道旅行の話は夏休み最後の週末にゆっくりと聞いたのだった。
その話は次にアップしたいと思います。

theme : 男同士の恋愛
genre : 恋愛

tag : ゲイの父親

comment

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ヒロちゃんとは、本当にいいパートナーになってるんですね。
ちょっとほっこりしました。

Re: タイトルなし

たけろー様

コメントありがとうございます。
ヒロとは最初の燃え上がった時期を過ぎて、関係がかなり落ち着いてきたと思います。
これからもいい関係を続けていきたいですね。
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