ジュンたちと同居開始

二週間ほど前にジュンが結婚して、すぐに新婚夫婦はハネムーンに行ってしまった。

わたしは先にひとり新居に入って、ジュンたちがいない間に少しでも片づけようと思っていた。
誰もいない新居に住んで、ジュンたちの帰ってくるのを待っていると、新婚夫婦と同居がうまくいくだろうかとか、不安になっていた。

そして9日後に新居に帰ってきた。
ジュンとひ〇さんは夕方、羽田空港からタクシーで戻ってきた。
平日だったけれど、わたしは午後半休をとって、新居の片づけをしていた。
夕方になると、ジュンたちは日本食を食べたくなったころだと思い、いつものおかず中心の夕ご飯を作ったのだった。
6時ごろ、ジュンとひ〇さんはちょっと疲れた顔をして、帰ってきた。

私「おかえり、疲れただろう。」
ジュン「とうさん、ただいま。」
ひ〇さん「ただいまかえりました。」
私「これからいっしょに住むことになるので、よろしく。」
ひ〇さん「こちらこそ、お世話になると思いますので、よろしくお願いいたします。」
私「ふたりとも疲れてるだろう、風呂入れといたから、食事の前に入っておいで、疲れとれるよ。」
ジュン「うん、荷物をちょっと整理したら、入るよ。」
ひ〇さん「おとうさまは、お風呂はお使いになったんですか?」
私「いや、まだだよ。」
ひ〇さん「わたしたちはまずはスーツケースを開けてますから、おとうさまがお先にどうぞ。」
私「わたしは後でいいから。それから、おとうさまって言うのはやめてもらえるかな、おとうさんと呼んでもらう方がいいから。」
ひ〇さん「わかりました、これからはそういたします、おとうさん・・・」
私「それでいい、ありがとう。」

ふたりに交代で風呂に入ってもらい、その間にわたしはとりあえず夕食の準備をした。
とはいえ作ったものと言えば、いつもジュンと食べていた家庭的なお惣菜だったので、ひ〇さんの口に合うか、わたしは心配だった。
ひ〇さんと俊顕くんの婚約者は今年初めから、東京〇館の料理教室に通って、料理の腕を磨いたそうなので、わたしの作るお惣菜は喜んでもらえるのだろうか。

先にひ〇さんが風呂に入ったらしく、ジュンが風呂に入っているあいだに、ひ〇さんはキッチンに来て、少し手伝いをしてくれた。

ひ〇さん「おいしそうですね。」
私「これ、ちょっと味見てみる?」
ひ〇さん「いいんですか?」
私「味が物足りなかったりしたら、ちゃんと言ってくれるかな。」
ひ〇さん「では、いただきますね。」

ひ〇さんは小皿にとった料理を口に入れて味わった。

私「味はどうだい、だいじょうぶかな?」
ひ〇さん「とてもおいしいですわ。」
私「それならよかった。」

そこに風呂から上がったジュンがバスタオルで髪を拭きながら、上半身裸でキッチンに来た。

ジュン「すげえ、おいしそうな匂いがしてる。」
私「こらこら、ジュン、女性の前で、そんな格好するな。」
ジュン「べつにもう夫婦なんだから、このくらい平気だよ、素っ裸じゃないんだし・・・」
ひ〇さん「ジュンちゃんは、おとうさんの前では子供になっちゃうみたいね。」
ジュン「ゴメン、そういうの嫌?」
ひ〇さん「そういうジュンちゃんもいいと思うわ。」
私「いいから、ジュン、上に何か着てきなさい。すぐにご飯にするから。」
ジュン「ふわあい。」

ジュンがキッチンから出ていった。

私「じゃあ、ひ〇さん、ご飯つけてくれるかな。」
ひ〇さん「御付けはどうします?」
私「そっちもできたらお願いするよ。」

ご飯と御付けはひ〇さんに任せて、わたしはおかずをさらに盛っていった。
テーブルに準備ができたころ、ジュンが部屋から出てきた。

ジュン「うわあ、こういう日本的な晩御飯食べたかったんだ。」
私「そう思って、日本らしいものを作っておいた。」
ひ〇さん「向こうの料理もまずいわけじゃないんですけど、やっぱり日本食がうれしいですね。」

わたしたちは新婚旅行の話をしながら、ゆっくりと夕食をとった。
食後は、ジュンたちが買ってきてくれたお菓子をデザート代わりに食べて、夕食は終わった。
食器等の後片付けは、新居には作り付けの食洗器があるので楽だった。
時差ボケのあるジュンたちは、眠くなったらしく、早めに寝ると言って、部屋に戻っていった。

わたしはひとりで寝酒代わりのウイスキーを舐めていた。
そこにジュンが寝間着姿で部屋から出てきた。

私「どうした、ジュン、寝るんじゃなかったのか?」
ジュン「うん、子作りに励むつもりだったけど、ひ〇が疲れてるらしくて横になるとすぐに寝ちゃったからね。」
私「飛行機の中ではよく眠れなかったんだろう。」
ジュン「オレも寝たような寝られなかったような、ヘンな感じだもん。」
私「子作りは焦らないですればいい。」
ジュン「でも、たぶんハネムーンベイビーができてると思うよ。」
私「ならうれしいけどね。」
ジュン「オレにもウイスキーちょうだい。」
私「これ、飲んでいいぞ。それにそんなに頑張らなくても、ジュンたちはまだ若いんだから。」
ジュン「そうだといいけど・・・」
私「とうさんだって、すぐにジュンを授かったからね。」
ジュン「おじいちゃんたちに早く曾孫を見せてあげなきゃいけないからね。」
私「ジュン、眠そうだな。」
ジュン「やっぱ飛行機であんまり寝られなかったから、急に眠くなってきた。」
私「じゃあ、もう寝なさい。」
ジュン「とうさん、おやすみのキス、してくれたら寝る。」
私「しょうがないやつだなあ・・・」

わたしはジュンに軽くキスをした。

私「はい、キスしたからもう寝なさい。眠くても寝る前にちゃんとオシッコしとくんだぞ。」
ジュン「うん、とうさん、おやすみ。」

その後わたしはゆっくりと風呂に入ってから、ベッドに横になった。
まだ同居一日目なので、ひ〇さんとはお互い様子見の状態だったのだが、それほど悪くはなかったのでないかとわたしは思った。

翌朝はわたしは仕事に出かけた。以前住んでいたマンションは、わたしの勤め先に近くて、自転車で通うことができた。
こんどの新居は、勤め先まで電車を3本乗り継いでいかなければならないので、時間も一時間近くかかってしまう。
ジュンたちはまだ結婚休暇中なので、ゆっくりと寝かせてやろうと思い、わたしはジュンたちの朝食の準備だけして、マンションを出た。
早めの時間に出ても、通勤電車はけっこう混んでいる。
わたしは勤務先に近いところにあるカフェに入って、一休みしてから、仕事場に入ることにしてる。

仕事を終えて、また電車に3本乗って、マンションまで帰ってきた。
前に住んでいたところほどはにぎわってはないが、駅前にはスーパーがあって食品は手に入れることができる。

とりあえずジュンに電話をすると、すでにジュンが夕食の準備をしているという。
わたしはちょっとだけ買い物をしてマンションに帰った。

ジュン「とうさん、お帰り。」
私「ただいま。ジュンは今日はどうしてたんだ?」
ジュン「まずは旅行中の衣類の洗濯をしたんだ。それからこのあたり、何があるか、あちこち探検してた。」
私「けっこういろいろあるだろう?」
ジュン「ちょっとあるけど、街道沿いに大きなショッピングセンターがあって、そこで買い物した。」
私「カレー作ったのか?」
ジュン「うん、いちばん食べたいと思ったのは、日本風のカレーだったんだよね。」
私「確かにロンドンのインドカレーはちょっと違う感じがするよね。」
ジュン「それで、今夜はこてこての日本風カレーだよ、ハ〇スの固形カレールーで、牛肉のこま切れと、タマネギ人参ジャガイモを入れて煮たんだ。」
私「すごくおいしそうな匂いがしてるよ。」
ジュン「それにスープと浅漬けピクルスを作った。」
私「じゃあ、夕食前に風呂に入ってくるよ。」
ジュン「お湯はすでに張ってあるから、とうさん、いっしょに入ろうね。」
私「でも、ひ〇さんに、ジュンといっしょに風呂に入っているところを見られたくないなあ。」
ジュン「だいじょうぶ、ひ〇は帰ってくるのは9時頃になるんだって。だから、ゆっくり入ってもだいじょうぶだよ。」
私「なら、いっしょに入るか。」

以前と同じように、ジュンの服を脱がせてやり、わたしたちはいっしょに風呂に入った。
バスルームは以前のマンションより広くなり、バスタブもゆったりしている。
以前と同じように、ジュンはわたしの前に座り、背中をわたし胸にもたせかけてきた。

ジュン「やっぱ、これがいちばん落ち着く。」
私「でも、とうさんとだけじゃなくて、ひ〇さんともいっしょに入るんだぞ。」
ジュン「でも、ひ〇に軽く嫌がられるかも、ひとりでゆっくり入りたいって・・・」
私「まあ、気持ちが通じ合っていたら、問題はないと思うけどね。」
ジュン「オレたちは、べつに運命の大恋愛をしたわけじゃないんだけどね。でも、ちゃんと好きあっているのは確かだよ。婚約してから、だんだんとお互いのことを大切に思うようになってきてるから。」
私「ジュンたちがそれでいいんだったら、とうさんはそれを受け入れるよ。」
ジュン「あとは、とうさんとひ〇がうまくやっていければ、何の問題もないことになる。」
私「とりあえずは、少しずつ共同生活に必要なものを探っていく段階だよね。」
ジュン「うまくやっていってね、とうさん。」

今まで通り、ジュンのからだを洗ってやり、先にジュンをあがらせて、その後わたしは自分のからだを洗って風呂を出た。
ジュンが夕食を仕上げて、待っていてくれた。

ジュン「とうさん、食べよう。」
私「ひ〇さんを待たなくていいのか?」
ジュン「8時になったら、待たないで食べることに決めたから。」
私「遅く食べるとからだによくないから、そのほうがいいね。」

わたしはジュンの作ったカレーの夕食を食べ始めた。

ジュン「とうさん、どう、おいしい?」
私「すごくおいしいよ。」
ジュン「まあ、とうさんが作ってくれたカレーをお手本にしてるからね。」
私「それに、この浅漬けピクルス、おいしいよ。」
ジュン「野菜がほしかったから、作ってみたんだ。」
私「ひ〇さんの行った料理教室はカレーとかないんだろうな。」
ジュン「西洋料理の基本コースらしいから、カレーはないかな。」
私「どんな料理をひ〇さんが作ってくれるのか楽しみだな。」
ジュン「まあ、仕事が忙しいみたいだから、平日はムリかもね。」
私「じゃあ、平日はとうさんが作るよ。」
ジュン「うん、期待してる。」

わたしたちが夕食を食べ終わって、使った食器等を洗っていると、ひ〇さんが帰宅した。

ひ〇さん「ただいま帰りました。」
ジュン「おかえり。久しぶりの仕事で疲れたんじゃないの?」
ひ〇さん「休んでる間に溜まってた仕事を片付けるだけで、今日一日終わってしまった感じだわ。」
私「風呂入ってるよ、疲れをとったほうがいい。」
ジュン「その後、夕飯食べるだろう?」

しばらくすると、ひ〇さんが普段着に着替えて出てきた。普段着と言っても、そのまま外出してもいいような、ちゃんとしたもの来ていた。
ジュンとわたしで、ひ〇さんの夕食を準備した。
ひ〇さんが食事を始めたので、わたしは部屋に戻ることにした。
新婚なんだから、少しでもふたりだけの時間を持ちたいだろうと思ったからだ。

わたしは部屋に戻ると、ヒロの声を聞くために電話をした。

ヒロ「新婚さんとうまくやれてるの?」
私「今のところはお互い、探り合いみたいなところがあるからね、もう少しすれば、だんだんと落ち着いてくると思う。」
ヒロ「でもさ、遠からずジュンちゃんたちには子供ができるだろう?」
私「子供ができたら、子供中心の生活になって、それはそれで安定してくるんじゃないかな。」
ヒロ「ジュンちゃんはすげえ健康なからだしてるから、すぐに子供ができちゃうだろうね。」
私「ふたりとも早く子供を作りたがってるしね。」
ヒロ「俺が聡一に妊娠させられたら、いい子供ができそうなんだけどね・・・」
私「ヒロ、子供欲しいのか?」
ヒロ「聡一の子供だったら欲しいよ。」
私「ヒロがそんなに子供を欲しがってるとは思わなかった。」
ヒロ「初めて言ったもん。」
私「ヒロとじゃ子供作れないけど、その代わりにジュンに子供ができたら、いくらでも抱かせてあげるから。」
ヒロ「そうなったら、俺、聡一のところに同居しちゃおうかな。」
私「ジュンたちがいいって言ったら、同居できるぞ。」
ヒロ「でも、同居したら、俺、ジュンちゃんにイジワルされちゃうかも。」
私「ジュンはそんなことしないよ。」
ヒロ「聡一に対してはね。」
私「ジュンも結婚したんだから、少しはヒロに対して気持ちの余裕ができたと思うけど・・・」
ヒロ「なら、いいけどね・・・」
私「じゃあ、土曜にはそっちに行くよ。」
ヒロ「午後はちょっと仕事があるから、夜、どっかでご飯食べようよ。」
私「そうなんだ、でも土曜はジュンとフランクの練習をしなきゃならないから、ちょうどいいな。」
ヒロ「で、土曜の夜、何食べたい?」
私「落ち着いて食べられるところだとどこでもいいけど。」
ヒロ「じゃあ、いいところを探しとくね。」

ヒロの声を聞いてわたしは落ち着いて寝ることができた。
その翌日からはジュンも仕事に出かけるので、夕食はわたしがやることになる。
そう思うと、ジュンが結婚しても、それほど依然と生活パターンが変わったわけではないなと気づいたのだった。






theme : 男同士の恋愛
genre : 恋愛

tag : ゲイの父親

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No title

新しい生活が始まりましたね。
これからどうなって行くのか、ちょっとドキドキです。

Re: No title

たけろー様

今のところ、お互いの様子をうかがいながらの生活なので、まだ何となく落ち着きませんね。
まあ、そのうち、ちょうどいいところで落ち着いていくと思います。
プロフィール

悩む父親

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